【ITEM2024取材速報】シーメンスヘルスケア/CT「SOMATOM Pro.Pulse」・MRI「MAGNETOM Cima.X」・MAMMOMAT B.brilliant・CIARTIC Move・ACUSON Origin

2024.04.13

CT「SOMATOM Pro.Pulse」

 2024年2月に発売されたばかりの新型CT。その注目の高さゆえに今回も同機のまわりは人でごった返していた。 SOMATOM Pro.Pulseは、2対のX線管と検出器が同時にデータを収集する第5世代のDual Source CTである。最大の強みを発揮する心臓検査では新機能である画像補正技術「ZeeFree」によってマルチスライスCTの継ぎ目が解消され、連続性を保った心臓CT画像により、高心拍や不整脈が見られる場合でも、信頼性の高い画像を描出できる。
 また、AI技術を用いて開発された全自動撮影システム「myExam Companion」がSOMATOMシリーズのDual Source CTでは初のお目見えだ。これは検査目的に応じて撮影後の画像処理が必要とされるときでも、自動で画像処理をするため、撮影後の画像処理時間が大幅に短くなる。同機は、AIの自動化技術を組み合わせたことで、ルーチンの検査から先進技術の応用まで、診療放射線技師のスキルあまりを問わない誰もが活用できる理想のCTと言えるだろう。

MRI「MAGNETOM Cima.X」

 MAGNETOM Cima.Xも2024年2月発売のニューモデルだ。脳神経領域の高度な研究用に開発された3TMRI。
 強力な傾斜磁場を用いた拡散強調画像により、脳や体内の微細な構造を高コントラストで描出する。患者ケアと研究領域において活躍するため、最大傾斜磁場強度200mT/mの超強力傾斜磁場コイルを採用し、非常に優れたパフォーマンスをもたらす。 また、Deep Learningを用いた画像再構成技術であるDeep Resolveにより、撮像時間の短縮と高画質化を同時に実現している。
 さらに、今回新たに開発・搭載したアプリケーション 「Open Recon」により、装置上でリアルタイムに画像再構成が行えるようになったのもありがたい。
同機は研究の成果をあますことなく臨床への応用できる期待のMRIといえる。

MAMMOMAT B.brilliant

 MAMMOMAT B.brilliantは今年6月に診療報酬改定において点数加算が発表された、乳房トモシンセシス検査に対応する新型マンモグラフィ。

 業界で最大の±25°(振り角50°)の広角3D撮影を5秒ほどで撮影する。撮影時間の短縮は、被検者の負担を軽減できるほか、スタッフの業務効率 を向上し、検査枠の増枠などにもつながる。 また、困難な体勢を強いられるMLO撮影のポジショニング時に、従来よりもスペース確保を考慮し、X線管のみ移動する機構を備えることにより、ポジショニングしやすい環境を提供している。患者と診療放射線技師に優しいマンモグラフィと言えるだろう。

CIARTIC Move

 リモコンで操作できる世界初の自走式の外科用モバイルCアームイメージングシステムである。
 ユニークな形状の車輪を採用したことで前後左右と移動の自由度が増し、パワーアシストで身体的負荷を軽減できる。
 さらに、あらかじめ撮影したいポジションを記憶させることで、大幅に術中のCアーム操作時間を短縮し、リモートコントロール端末で複数の操作をすること操作スタッフの被ばくも削減する。
 それと同時に、手術室におけるスタッフ不足や外科チームの過剰負担等の課題解決にも貢献していく。

ACUSON Origin

 この4月に発売されたばかりのシーメンスの誇る超音波画像診断装置。主に心臓血管領域の診断を目的に開発され、AI技術を採用して画像診断と検査の効率化を推進させたモデル。
 AI Assistは、リアルタイムに心臓の構造を認識することができ、より短い時間で確実な心臓超音波を測定できるAI Measureも搭載され、新しい時代の超音波画像診断装置といえるだろう。