Premium Discussion of Bone Scan Index Michael Morris × 中嶋憲一 × 小泉 満

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2013.07.23
Michael Morris先生
中嶋憲一先生
小泉 満先生
Premium Discussion of Bone Scan Index
Michael Morris × 中嶋憲一 × 小泉 満

 
Michael Morris先生(MSKCC)
中嶋憲一先生(金沢大学)
小泉 満先生(がん研有明病院)
 
日時 : 2013年4月12日(金) 
会場 : パシフィコ横浜  
共催 : 富士フイルムRIファーマ株式会社
 
セミナー終了後、Michael Morris先生、小泉 満先生、中嶋憲一先生ら最前線で活躍するエキスパートが一堂に会し、BSIの今後の展開・活用について活発な議論が交わされた。
 
骨スキャンおよびBSIの有用性を示すために
中嶋 日本でも薬剤の効果を調べるうえで、BSIへの関心が高まっています。BSIの有用性を考える上ではどのような思考が必要なのでしょうか。
Morris 我々は今、自分たちが行っていることが患者にとって意義のある何かを反映していることを証明する必要性に迫られています。薬剤開発のためには、同じタイプの患者とその疾患の同じ時点、同じ治療法での検討も必要になりますが、それは画像診断の世界では比較的新しい概念です。厳しく管理された患者集団を得て、画像が有益な情報をもたらすことを示さなければなりません。それだけではなく、現在利用できる安価な技術よりもより有益でなければならず、それを示すためには新しい次元での計画、思考、経費が必要です。
中嶋 その見地から、骨スキャンは多くの施設で簡単に実施され、予後と非常に高い相関があるため、多くの目的に用いるのに好都合と言えるでしょう。
Morris PETは比較的短期間でのがんの変化や局在を示す、あるいは薬剤が奏効するか否かをみるには良いかもしれません。しかし予後を問題とする場合には骨スキャンが相応しいと考えられます。
中嶋 確かに中期的、長期的評価をするうえでは骨スキャンのほうが有用性が高いと思います。
 
骨スキャンにおけるフレアと増悪
小泉 フレアを検出するためにはどのくらいの頻度で骨スキャンを実施すればよいとお考えでしょうか。
中嶋 我々はこの度の多施設研究としては約3ヶ月に1回骨スキャンを実施していますが、年に4回実施しなくてもフレアをとらえることは可能だと思います。

Morris 臨床試験のデータとして症例登録するうえでは、スキャンする前に頻度を設定する必要があります。6ヶ月後の骨スキャンだけではフレアは検出できず、あるいは3ヶ月後にスキャンしてその後の画像がない場合は、フレアを明確にすることができないからです。一連のスキャンを早期、中期、悪化時に実施していれば、ある程度の範囲をカバーできるデータが得られます。フレアを適切に検出することによって、実施した治療法が適していた患者集団を特定できると思われます。
小泉 かつて私は乳癌患者における骨スキャンおよび骨代謝マーカーについて研究していましたが、溶骨性マーカーがフレアと増悪を見分ける最良の方法でした。なぜなら、フレアの場合は、造骨性マーカーは増加しますが溶骨性マーカーは増加しないのです。また、前立腺癌の骨転移の場合は、造骨性マーカーと溶骨性マーカーどちらも代謝回転が速い状態にありました。
Morris 乳癌では溶骨性病変と造骨性病変が混在しており、前立腺癌では造骨性骨転移が多いのですが、ゾレドロネートが効くのは、前立腺癌骨転移でも溶骨も進んでいるためだと考えます。患者に起こっていることを反映するという観点か
ら、BSIにメリットがあるかどうかを確かめる上で、臨床研究は非常に強力な手段になると思います。
 
 
米国における臨床試験の評価項目としてのBSI 
小泉 症例登録と臨床試験は実際にどのように行われているのですか。
Morris 米国では、大規模な前立腺がんセンター13施設で構成されるコンソーシアムを通じて症例登録を行い、PCWG2基準をもとに前立腺癌における臨床試験の実施方法を標準化しています。症例登録は費用と便益の点からも実行が非常に簡単です。我々の症例登録では、米国のすべての重要な臨床試験のために前立腺癌患者の画像データを保存しています。それらの患者はすべて前向き臨床試験に参加し、疾患のステージと治療内容などについて管理されます。さらにデータを共有し連携するために、前もって統計的計画をたてることによって、データベースから十分なプールデータを入手することができ、BSIは薬剤が承認を受けるための評価項目となり得ると考えています。