「An Imaging Response Biomarker forMetastatic Prostate Cancer」Michael Morris, MD

Key Journal : Key Journal
2013.07.23
Michael Morris, MD
An Imaging Response Biomarker forMetastatic Prostate Cancer
 
Michael Morris, MD( Section Head, Prostate Cancer GU Oncology Service Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)
 
第72回日本医学放射線学会総会 ランチョンセミナー8
日時 : 2013年4月12日(金) 
会場 : パシフィコ横浜会議センター  
共催 : 富士フイルムRIファーマ株式会社

 
 
バイオマーカーとしての骨スキャン画像の可能性
 現在前立腺癌の治療に対して承認されているほとんどの薬剤は、全生存率あるいは骨関連事象(SRE)の予防効果に基づいている。しかし臨床試験の評価項目として全生存を用いて治療の有効性が評価され、それに基づいてその後患者が様々な治療を受けた場合、患者の生存に何が影響を与えているのか理解するのは難しい。そのため、全生存率以外に薬剤の有効性あるいは患者の状態を把握できるような暫定的なバイオマーカーが必要とされ、転移性前立腺癌において画像バイオマーカーへの期待が高まっている。
 バイオマーカーとは、生体内において評価することが可能なものにおける変化を示すものであり、また治療前後に患者に生じた臨床的な変化を反映するものであることから、薬剤の開発、あるいは患者の臨床評価において不可欠なものである。
 骨シンチグラフィをバイオマーカーとして用いるためには、まず定量的な出力をする必要がある。そして、使用する機器の精度、正確さ、再現性がどれくらいであるかといった分析的検証をしなければならない。さらに、この量的な変化がどのような臨床的関連性を示すのかを理解する必要がある。
 現在、骨スキャン画像の解釈については、前立腺癌ワーキング・グループ2(Prostate
Cancer Working Group 2:PCWG2)のコンセンサスに基づく定義(図1)が用いられており、米国FDAが示す前立腺癌治療の臨床試験における適正評価項目の1つとなっている。
 このPCWG2の定義に基づく評価方法と臨床的関連を検討するために行われたCOUAA-302試験では、アビラテロン化学療法実施前後の患者データが比較され、全生存と画像上の増悪の定義との相関は0.72と非常に高いものであった。これに基づき、FDAは対象患者へのアビラテロン投与を承認した。これは前立腺癌において、全生存ではなく無増悪生存に対して薬剤が承認された初めてのケースである(図1上)

図1 PCWG2

 
PCWG2からBone Scan Index(BSI)へ
 PCWG2による画像解釈の定義のデメリット(図1下)を改善するために、我々は骨スキャンの定量化の方法を検討した。BSIの定量化にあたっては、骨シンチグラフィを撮像し、スキャン画像を得る。そしてマニュアルでトレースした量を総骨格量で割ることによりBSIを算出することが可能である(図2)。これにより前立腺癌患者における骨転移病変の増悪を定量的に表すことができ、さらに治療前後の効果判定も可能になると考えられる。
 臨床評価の観点からは、BSIの予後予測能を示すものとして、当院で治療を行った191例のデータをみると、BSIに基づいて患者の生存率を分類することが可能であった。BSI1.4%未満のほとんど骨転移病変が少ない患者は最も生存率が高く、BSI5.1%以上の骨転移病変が多い患者の生存率は低いことがわかった。

図2 BSIの算出

 
臨床におけるBSIの有用性
 我々は治療後のBSIの変化が患者予後の改善を示すのか、増悪を示すのかについて検討するため、当院で化学療法の臨床試験に組み入れられたCRPC進行例の患者データベースから88例について、BSIおよびPSAのデータを調べ比較検討した。治療後のPSAとBSIの予後予測能を調べる単変量解析では、ベースラインから3ヶ月、6 ヶ月後のBSIは、それぞれ生存に対するハザード比が2.44および2.54となり、生存と高い相関があることがわかった。一方BSIとPSAを比較した多変量解析では、ベースラインから3 ヶ月まで、および6ヶ月までのBSIの変化とPSAの変化を比較すると、BSIの変化のほうが全生存に対してより鋭敏な予後予測マーカーとなることが有意差をもって示された(図3)

図3 BSIの変化とPSAの変化の比較

 
BSIの課題
 BSIのデータは、たとえば対数変換するなど様々な形で臨床医に示すことが可能であるが、限界と課題がある(図4)。現在のところフレア現象をコントロールすることができず、病変の状態を直接反映することはできない。また、BSIは比較的変動幅が狭い数値である。
 これまで示したデータはすべてマニュアルによるものであるが、もちろん将来的にはソフトウェア(BONENAVI)を用いてBSIが自動化されることが望ましい。自動化されたBSIには誤りがないわけではないが、マニュアルよりもずっと速く、また客観的であるため体系化することが可能で、本質的に再現性がある。もちろんいかなるソフトウェアシステムにもバージョン管理という問題もある。それらの標準化についても今後多くの研究が必要であり、各国間、各施設間での協調が期待される。

図4 BSIの限界と今後の課題
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