【ITEM2025取材速報】キヤノンメディカルシステムズ
3つの体位が撮影可能なマルチポジションCT*
Aquilion Rise
2025年キヤノンブースでまず注目を集めたのは、臥位、立位、座位の3つの体位が撮影できる世界初の全身用マルチポジションCT*「Aquilion Rise」だ。
「Aquilion Rise」はガントリが90度回転し、さらにこれが上下移動することで、立位や座位のCT撮影が可能になる。仰臥位では症状が出現せず立位や座位で症状が出る疾患に対して、CT検査の適用が広がると期待される。患者は立ったまま座ったままで検査を受けられるので苦痛や負担が少ない。「患者さんにやさしい新しい臨床価値」を提供するユニークかつオンリーワンのCT「Aquilion Rise」がセンセーショナルにデビューした。
*:臥位、立位、座位の3体位が撮影可能なCT装置の総称
多目的デジタルX線TVシステム
Ultimax-i / Unity Edition
Cアームによるフレキシブルな角度からの観察と、スペースの有効活用を実現するコンパクトさが特長の多目的デジタルX線TVシステム Ultimax-iが、Unity Editionへ進化した。
独自の高画質・低線量検査コンセプトoctaveは最新バージョンoctave i に進化。照射線量を約65%低減しながら高画質と低線量を両立している。さらに透視を切らずにワンタッチで画質を切り替えられる新画像処理条件Accentによって、octave iの見やすい画像はそのままでデバイスや造影剤、関心部位など見たい部分がより見やすくなった。透視下の内視鏡治療や整形外科領域など様々な検査において手技のしやすさがUnity Editionで加速する。
一般X線撮影システム
Radrex i5 / Flex Edition

左:ハンドル部 右:ポジショニングサポート用の光学カメラ(矢印:オプション)
清潔感ある新デザインとスマートな操作性が特長の「Radrex i5 / Flex Edition」がデビューした。
ハンドルはどの角度でも持ちやく握りやすい。ポジショニング時の細かい操作が直感的に正確に行える。X線可動絞りの側面に搭載した専用光学カメラで、AIを用いたポジショニング支援(Camera Assist:オプション)が可能となる。優れた操作性で術者の負担を軽減しながら検査を効率よく進めることができる「Radrex i5 / Flex Edition」は、これからの一般撮影システムのスタンダードだ。
AIによるX線撮影ポジショニングサポート機能
Camera Assist
「Camera Assist」は、AIを使ってX線撮影のポジショニングをサポートする機能だ。
RadrexシリーズやR-miniに構成されるX線可動絞りに専用光学カメラを搭載、撮影中の患者のライブ映像から受診者の骨格や位置をAIで解析・判定する。撮影プロトコル選択ミスの防止からポジショニングミスに由来する再撮影の低減、撮影プロトコルとの整合性の判定に至るまでAIが賢く支援してくれる。忙しい現場であっても技師全員が一定の検査の質を担保することが重視される昨今、特に習熟度がそれほど高くない操作者にはありがたい機能になりそうだ。
ワイヤレスFPD
CXDI-Elite
「CXDI-Elite」は高画質&低線量の新たな世界を拓くハイエンドのワイヤレスFPDだ。
Deep Learningを用い最大50%のノイズ低減を実現する「Intelligent NR(INR)」と、内臓AECであるBuilt-in AEC Assistance(BiAA)をオプション搭載できる。高い防水性・防塵性と優れた耐久性というキヤノンFPD共通のDNAを受け継いだ軽快な取り回しも、健在だ。
ノイズ低減処理ソフトウェア
Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)
すでにキヤノンのCT/MRで多くの実績と高い評価を得ている深層学習を用いたノイズ低減処理Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)が、マンモグラフィ「Pe・ru・ru DIGITAL」に搭載された。
微細構造が精度よく描出され、わかりづらい病変部が視認しやすくなったAiCEのマンモ画像は、読影のストレスと心理的負担を軽減する。迷いや不安なく診断できる明瞭な画質は業務効率の改善にもつながるはずだ。
医用画像解析ワークステーション
Abierto Vision
「Abierto Vision」は、モダリティ画像に高度な解析・処理を施し診断を高度にサポートするマルチモダリティ・ワークステーションだ。
なかでもディープ・ラーニングを用いた自動化処理技術は注目の的だ。たとえば体幹部造影3D-CTにおける骨除去処理の精度の高さは瞠目に値する。従来のサブトラクション法に比べ高精度な骨除去画像がたったのワンクリックで得られる。同じく脳の動静脈分離の自動処理も可能とのこと。様々な臨床領域において有用な解析アプリケーションを提供する「Abierto Vision」は、日常診療における画像診断の幅を広げ質を高めてゆく。
読影ソリューション
RapideyeCore
「RapideyeCore」は、より幅広くより複合的に院内を俯瞰するAll in One Pacsだ。
ビューアはシンプルでありながら高機能。たとえば細かくカスタマイズされた操作性によってスムーズに読影を進めながら必要に応じてAI臨床解析アプリケーション(Abierto Reading Support Solution)の解析結果を統合表示、同時進行でレポートを作成・確認するなど、読影状態を保ったまま様々な業務をシームレスで切り替えできる。読影のワークフローと動線に沿う良好な使い勝手によって「RapideyeCore」は快適な読影環境を提供する。
読影支援ソリューション
Abierto Reading Support Solution
AIを駆使した高度な臨床解析アプリケーションをわかりやすく提示してくれる「Abierto Reading Support Solution」。
DICOM受信と解析は自動で実行され効率が高い。また自社製のみならずパートナー各社のアプリケーションを搭載できるオープンなプラットフォームも特長だ。各診療領域向けの高度な解析アプリケーションを効率よく活用できる「Abierto Reading Support Solution」は、読影医の心強いパートナーとなり頼れるサポーターになるだろう。