アゼモトメディカル

取材製品情報

医療情報システム

VIDA Insights

 「VIDA Insights」は、AI技術を搭載した画像解析ソフトウェアだ。

 同製品は、肺葉毎の含気量と低/高吸収領域を定量化。胸部CT画像の読影をサポートする。疾病の診断や治療方針の決定、手術後のフォローアップなどの場面での利用が期待できる。医用画像の撮影枚数が急増する昨今、医師の負担軽減に寄与する折製品だ。

 また、独自の技術で、肺全体の情報を視覚的に分かりやすく表示することに成功。アメリカ、EU、カナダなどの医療機器等で利用されている。

被ばく低減ソリューション

AMDS

2020DRLsにも対応した医療被ばく線量情報管理システムがAMDS(アミダス)である。個人の被ばく線量管理、プロコトル管理から解析を行い、最適な撮影条件を導き出す。その特長の1つとして、独自のMコードとは別にユーザー側でオリジナルのコードの作成ができる点が挙げられる。

そのため、病院独自のプロコトル管理を行うことができる。これにより、検査によって複数のプロトコルが存在する場合でも、プロコトル単位でデータ解析を行うことができる。

 また、ユーザー側でアップデートに対応できるため、2015DRLsから2020DRLsへアップデートする場合などにおいての自由度が高い。さらに一度リンケージを組むと自動的にデータの収集が可能になり、柔軟な紐づけができるため、一度設定すれば常にデータを取ることができる。

ブースインフォメーション

アゼモトメディカル ブースNo. B3-01

 

2020DRLsにも対応した医療被ばく線量情報管理システムAMDS(アミダス)。個人の被ばく線量管理、プロコトル管理から解析を行い最適な撮影条件を導きだすことに貢献する。今回3年以上の使用経験を持つ望月純二先生に、導入したきっかけや使用感についてお話いただいた。

 

望月純二 先生
みなみ野循環器病院 放射線科

 

医療法人社団健心会 みなみ野循環器病院
〒192-0918 東京都八王子市兵衛1-25-1
TEL:042-637-8101
病床数:20床
診療科科目:循環器内科、内科、放射線科
診断装置:マルチスライスCT、血管造影装置、一般撮影装置
医師6名、診療放射線技師5名、東京都指定二次救急医療機関

 

AMDSを2018年秋にいち早く導入

みなみ野循環器病院は、最新の設備と豊富な経験を基に、患者の体への負担が少ない高度医療を行う循環器専門病院である。心臓CTにも力を入れており1か月に約400件ほど行っている。
同院では、DRLs2020より以前の2018年には、株式会社アゼモトメディカル(以下アゼモトメディカル)の医療被ばく線量情報管理システムAMDS(朱雀)を採用している。朱雀とはウェブクライアントマルチユーザーモデル(同時アクセス10)のスタンドアローン型である。そして、2020年の診療放射線管理義務化には余裕を持って迎えることができたという。
今回、AMDS導入の経緯や線量管理の考え方について、望月先生に伺った。

 

線量管理についての現状

2019年に診療用放射線に係る安全管理体制について医療法施行規則の一部が改正され、2020年4月より診療放射線安全管理の義務化が開始。診療放射線技師の間でも「どこまで行うべきか、行う必要性があるのか」と議論があったという。特に、法制度が変わることにより、保健所による立ち入り検査でどこまで指摘されるのかは重要視されていた。

 

AMDS導入のきっかけ

2018年春に、CTやアンギオなど被ばくが大きい検査に関して、線量管理が必要になるという報道があるなかで、ITEM2018でAMDSに出会ったことが大きいという。アゼモトメディカルのブースにて、実機を操作し感覚的な操作感への期待感と、アゼモトメディカルの被ばくに対する真摯な考え方に共感ができたことが導入への大きい要因だったという。「当時は、線量管理ソフトが今ほど認知されていないし、多くの方がそこまで必要性を考えていなかったと思います。この時ブースにいらっしゃった、当時アゼモトメディカル社長であった畦元将吾氏が、線量管理の必要性についてものすごく熱く語っていたのが印象的だったのを今でも覚えています」。
そして、義務化よりも早く導入ができたらと考えに至ったと望月先生はいう。「我々として、線量管理システムの導入に踏み切ったのは、法的以前にしっかりとした意義のある管理を行いたいという考えがあった。確実な検査を行い、患者の被ばく線量を最適化したいという思いが強かった」と述べた。
また、導入以前は線量管理が十分にできていなかったと語る望月先生。「照射録自体にはCTDIvolや空気カーマ等を記録として入力しているだけで、管理をフィードバックするシステムがありませんでした。しかし、AMDSの導入により、本当の意味での線量管理ができるようになりました。これは大きな変化でした」という。

 

オリジナルのコードがつくれる!

接続しているモダリティはフィリップス社製のCTとアンギオ装置。PACSを通さずに、直接AMDSを連結し運用を行っている。
AMDSの特長の1つとして、アゼモトメディカル独自のMコードとは別にユーザー側でオリジナルのコードの作成ができることである。これには、病院施設独自のプロコトル管理を行うことができる利点がある。「従来、循環器においては心臓CTは冠動脈を評価するのみの検査でしたが、今では多様化しています。例えばアブレーション前の評価や心臓検査を目的とした評価など、検査によって複数のプロトコルが存在します。それぞれの検査を1つの心臓CT検査で扱ってしまうと、プロコトル自体の管理、最適化が不十分になってしまいます。そこで当院のオリジナルコードと心臓CTを紐づけることにより、プロコトル単位でのデータ解析を行うことができ、かつDRLとの比較をして評価をするということが可能になります」と述べる。

 

アゼモトメディカルのみのメリット

この機能については、他メーカーも追随できないアゼモトメディカルの強みの1つである。
また、コードの作成、変更についても2020DRLsに伴うアップデートではユーザー側で対応できるようになったのことも優れた点として挙げた。「2020DRLsへのアップデート時も、2015DRLsから紐づけしているユーザーをそのまま移行するか、改めて2020DRLsをきっかけにプロコトルを見直しリンケージをし直すかという自由度があった」と話す。 他の美点として、一度リンケージを組むと自動的にデータの収集が可能になることである。「導入当初から1ヵ月半は、設定をするのにかなり試行錯誤しました。その後3年経ちますがほとんど設定を変えずにデータがとれています。このリンケージ機能の良いところは、柔軟な紐づけが可能であるため、データとして扱われない情報がほとんどないことです。本当の意味での線量管理に繋がるポイントだと考えます」。
さらに、望月先生は画面操作(図1)の扱いやすさにも触れた。「直感的に操作ができることも、導入のきっかけになっています。当初はアゼモトメディカルのサービスの方に教えてもらいながらでしたが、その後は説明書を見ることなく使用しています」と述べた。定期的に行われる医療放射線管理委員会へ出席する、医師や看護師長など放射線に特化していない方にも報告がしやすくなった点も挙げた。

 

 

患者にやさしい心臓CTを目指して!

みなみ野循環器病院では、冠動脈はCTで評価し、治療が必要となる方にのみカテーテルを行うことを目指していると望月先生はいう。「カテーテル検査は入院が必要であり、患者の体にどうしても大きな負担がかかってしまう。それを心臓CTで評価し、負担を軽減するという考えです。そのうえで画像情報に線量情報を付加して先生に提供できることが大きいですね。例えば、カテーテル治療が必要な患者に対して、線量を落とした検査をしようという判断ができるのがメリットだと考えます」。
導入した2018年当時の線量管理製品は、グローバルに求められているものと日本の診療放射線技師が求めているものとの差異があり、AMDSと比較して他社海外製品はシステム的に融通が利かないという印象があったという望月先生。「最近聞いた話ですが、CTのみ導入しているクリニックなどには、AMDSを安価に導入できるようにしているそうです。そういった面は、他社にはできないところだと思います」という。
また、独自の保守サービスについても、アゼモトメディカルの製品を使用する大きなメリットであると語る望月先生。「バージョンアップが定期的にされるが、大きく改善するようなこともあるので不要な出費のない保守サービスがあると安心して使用できます」と述べた。
また、今後AMDSに求めることについては、「アンギオの入射線量マップですが、他社製品では患者さんに何mGyがあたったというマップが作ることができます。これができるようになると医師に有益な情報がさらに増えていくと思います」と期待をつのらせた。

AMDSユーザー会による課題改善に期待

AMDSを実際に使用している先生と開発者が集まるユーザー会があり、そこで挙がった課題について開発者に取り組んでもらうシステムがあるとのこと。「最初にお話したオリジナルコードの必要性を強く推したのはユーザー会での藤田医科大学井田先生のお話からでした。私も有用性があると考えており、その結果として改善がされました」と望月先生は述べた。ユーザーの意見を取り入れ、改善をしていくアゼモトメディカルの姿勢がわかる独自の取り組みにも注目したい。

 

 

株式会社アゼモトメディカル
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