シーメンスヘルスケア

取材製品情報

PCI用支援ロボット「CorPath GRXシステム」

CorPath GRXシステムは、遠隔のコックピットからガイドワイヤやカテーテルの操作や保持などを行うインターベンションサポートロボットである。

こちらの商品の大きな特徴としては、1ミリ単位での正確なデバイス操作の実現である。

1ミリ単位の操作や一連の操作が自動化されていることから術者技量の差が少なく、術後ケアも向上させることが可能である。

また遠隔操作であるため放射線被ばくが少なく、重量のある被ばく防護衣着用の必要もないため、被ばくの面に加え術者の身体的負担も抑えられる。

遠隔コックピットにある制御コンソールは3つのジョイスティックとタッチパネルとなっており、シンプルでわかりやすいデザインとなっている。

MRI

High-V MRI「MAGNETOM Free. Max」

こちらの製品はデジタルと0.55テスラの磁場強度を組み合わせたMRIである。

従来の低磁場(1.5テスラ未満)では、「低画質」「撮像時間が長い」という特徴があった。しかし、本製品は0.55テスラで、それとデジタルが融合したことにより、これまでの常識を覆す「高画質」「撮像時間の短縮」を実現した。

デジタル化により高画質と撮像時間の短縮を術減すべく、画像再構成にAI技術を用いて開発されたのがDeep Resolve(ディープ・レゾルブ)である。

Deep Resolveは、ディープラーニング(深層学習)とターゲットデノイジング(ノイズの標的除去)により画像のノイズ除去や撮像した画像を高分解能化することで、硬質な画像の取得と撮影時間の短縮を可能にする。

0.55テスラの低磁場により磁化率アーチファクトや金属アーチファクトが少ないため肺のイメージングやインプラントイメージングにも活躍する。

また、世界初の80㎝オープンボアにより、体格の大きな被験者や患部を大きく曲げた状態で行うMRI検査にも対応可能になった。

医療クラウドプラットフォーム

teamplay

teamplayは検査データの見える化ツールとして、全世界32,000の施設・機関で利用されるデジタルヘルスプラットフォームである。日本では現在、2,100の施設・機関で利用され、DICOMデータをもとに、医用画像、画像診断装置の稼働率、線量管理、放射線科業務の見える化など、様々な分析ができる。最新のクラウド技術で医療データを最大限に活用し、更なる改善や取り組みをサポートする。

teamplayの特徴はその拡張性の高さにあり、同社アプリとの組み合わせはもちろん、アライアンスパートナーである他社製品ともコラボレーションをしている。アプリには線量情報をリアルタイムにモニタリングする「teamplay Dose」、装置ごとの検査時間や待ち時間の平均値等を簡単操作で数値化できる「teamplay Usage」、施設ごとの様々なデータを組み合わせて必要な統計データを可視化する「teamplay Insight」などのほか、今回新たなアプリとしてteamplayに参加するユーザー同士がセキュアな環境のもと、画像共有できる「teamplay Images2」が新たに加わった。

さらに、IoTを用いた新しいコミュニケーションツールとして、チャット機能、医用画像共有、ビデオカンファレンス、セキュリティ対策などにも活用できる。

検査結果の活用や管理、画像共有、被ばく線量低減、さらには病院経営の改善まで、様々な情報を共有することで、まさに医療従事者同士の「チームワーク」向上を図ることができる。

X線

Cios Spin

「Cios Spin」は、3Dイメージングで最小侵襲手術を助ける、モバイルcアームイメージングシステムだ。
同製品は、医師が手術現場で手技に専念できるよう、最新の3Dアプリケーションを搭載。スクリューやインプラントの評価、刺入をスムーズに進められるようサポートする。
さらに、医師の負担軽減のため、直感的に操作可能なタッチパネルを採用。タッチパネル上のイラストが手順をアシストする。オペレーターの経験値に関わらず、簡単な操作を可能にした。
デザイン性にも優れており、開口部は93.6㎝のオープンスペースとなっている。様々な体型の患者に対応できるよう考えられている。
近年、患者への身体ダメージが小さいと注目を集める、最小侵襲手術。熟練技術を必要とする外科的な治療だが、この同製品はオペレーターをアシストし、医師の負担の軽減を図る。

CT

NAEOTOM Alpha

「NAEOTOM Alpha」は、世界ではじめて、量子技術を組み込んだフォトンカウンティングCTだ。
被ばく線量を最小限に抑えながら、高解像度の画像を提供。いままで、検査を受けることが難しかった被検者の撮影が、可能となる。
また、高い線量利用効率により、微小な病変や細部の観察が可能に。心臓疾患、腫瘍、呼吸器官関連の診断に、高い信頼性を与える。同製品の空間分解能は、これまでのCTシステムの中で最も高い。
さらに、デジタル化の波に合わせ、オペレーターに撮影手順をガイドする機能が備えられている。誰が検査を行っても、簡単で一貫性のある結果を導きだす。
AIを活用し、革新的な機能を搭載した同製品は、今後、CTの常識を変えていく。

マンモグラフィ

MAMMOMAT Revelation

乳房検診・精査に対応してきた歴史あるMAMMOMATシリーズの最新・最上位機種。広角トモシンセシス撮影によって、ボケのない、高画質な画像を提供し、これまで見つけにくかったものをしっかりと観察することができる。Dual Energy+サブトラクション法を使用した高精度造影マンモグラフィ撮影によって、これまでは乳房MRI検査で行ってきた良悪性の判別など、組織鑑別においても有効性を発揮する。また、Insight BD機能を搭載し、撮影と同時に乳腺濃度を自動測定することができる。
さらに、グリッドレス撮影によって独自のアルゴリズムによるソフトウェア処理によって乳房透過後のX線を最大限に活用し、低被ばくながら高画質を実現した。乳房の形にそって変形するソフト圧迫板や、一人ひとりに合わせた圧迫機構など、患者に寄り添った検診を行うことができる。

画像診断ITソリューションズ

AI-Rad Companion

AI技術を用いた画像解析ソフトウェアAI-Rad Companionは、4つの機能で放射線科医のルーティン作業の負担を軽減し、読影における診断精度を向上させる。

「Brain MR」は、頭部MR画像から自動的にセグメンテーションし、脳の各部位ごとの正常なデータベースと比較することによって、異常のリスクを解析。その結果を画像とレポートとして提供する。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病等のリスク評価に活用できる。

「ChestCT」は肺結節検出、肺実質の計測・表示、心臓容積、冠動脈カルシウム計測、大動脈計測、胸椎骨計測、Pulmonary Density(肺密度計測)など、胸部CT画像AI解析受託サービスを提供する。同製品について、西井達矢氏(国立循環器病研究センター 放射線部医長)は「肺や各肺葉だけでなく、異常陰影のセグメンテーション精度が高い。肺炎のCT画像に対するこれまでの定性評価から、精緻な定量評価を行いたいという気持ちになる。提供されるVR画像も主治医や患者にとってわかりやすく、『伝わる』レポートにつながる可能性を感じる」と評価する。

「Prostate for Biopsy」は、MR画像から前立腺のセグメンテーションを自動的に行い、前立腺の体積を自動計測する。その結果を反映した画像上に放射線科医が病変部をマークし、データを超音波画像診断装置に送信することで、超音波における生検を行う際の補助として活用することができる。

「Organs RT」は、CT画像における臓器の輪郭を自動的に描画することで、放射線治療計画のワークフローをサポートする。

同社のAIを搭載したアルゴリズムにより、これらのソリューションは画像データのポストプロセッシングを行い、各種業務を自動化することで、院内の業務負担の軽減や迅速かつ正確な診断へとつながる。

「Brain MR」で解析した多発性硬化症の症例

 

「ChestCT」で各部位の計測・定量化・時系列化を進める取り組み

MRI

High-V MRI「MAGNETOM Free.Star」

 MAGNETOM Free.Starはさまざまなデジタル技術の搭載により、TCO(Total Cost of Ownership)削減と1.5テスラMRIに匹敵する高画質を実現するとともに、高磁場では困難であった部位の臨床応用を可能にする、これまでにない低磁場MRIで、より多くの患者さんや検査を受ける方に質の高い医療を提供することができる。開口径60cmの最軽量のMRI装置で、2021年11月に発売したオープンボアのHigh-V MRI「MAGNETOM Free.Max」と同等の機能を持つ。 

この0.55テスラMRIの製品カテゴリーとして名付けられたHigh-Vには、高いバリューを提供するという意味が込められており、これまでの常識を覆す「高画質」、「撮像時間の短縮」を実現している。 

■MAGNETOM Free.Star の特長 

MRI 導入の経済性と設置の柔軟性を向上

MAGNETOM Free.Star は、1.5 テスラと比較してMRI の導入・設置にかかるコストをはじめとする全体的な経済性の改善により、収益性の高い経営の推進に貢献します。例えば、最もコンパクトなサイズ設計を実現し、設置の利便性を高めるとともに、ライフサイクルコストを大幅に削減するための数々のイノベーションを採用している。

• 装置総重量 3.1t 未満(最軽量 

• 総設置面積 24 m² 

• 搬入経路高 2m 未満 

•独自のDryCool テクノロジーにより、使用液体ヘリウムは わずか 0.7 リットル 

• sealed-for-life マグネット設計により、液体ヘリウムの補充が不要 

• クエンチパイプが不要なため、設置の柔軟性が向上し、設置コスト 

が低減 

 

操作者を複雑なオペレーションから解放 

これまでの製品に導入してきた、AI 技術を用いて開発された最新のアプリケーションを搭載しており、操作者の経験レベル、被検者の状況、検査数に関係なく、高画質を一貫して安定的に提供する。 

• myExam Autopilot(マイイグザム オートパイロット) 

操作者のスキルレベルに依存せず、ボタンをワンクリックするだけで頭部、脊椎、肩、膝のルーチンMRI 検査を実行でき、一貫した検査結果を提供する。 

• myExam Companion(マイイグザム コンパニオン) 

デジタル化とAI 技術により、膨大なデータを専門知識として統合し、被検者ごとにカスタマイズされた検査支援を提供する。 

• BioMatrix Select&GO(バイオマトリックス セレクトセレクト &ゴー) 

検査に必要な情報を簡単に確認し、ワンタッチで撮像目的部位へのポジショニングが可能となる。ポジショニングにかかる時間を30%短縮し、スループットが向上する。 

左:ルーチン検査画像、
右:Deep Resolve による再構成画像

 

デジタルと新しい磁場強度0.55 テスラの融合

デジタル化により高画質と撮像時間の短縮を実現するべく、画像再構成にAI 技術を用いて開発されたのがDeep Resolve(ディープ・レゾルブ)である。

Deep Resolve は、ディープラーニング(深層学習)とターゲットデノイジング(ノイズの標的除去)により画像のノイズ除去や撮像した画像を高分解能化することで、高品質な画像の取得と撮影時間の短縮を可能にします。検査精度やワークフローの向上のほか、被検者の快適性や質の高い医療へのアクセス向上が期待される。

インプラントイメージング

人口統計の変化に伴い、金属インプラントを挿入した被検者のMRI 検査はますます増加している。MAGNETOM Free.Star の新しい磁場強度0.55 テスラは金属アーチファクトの低減につながるため、インプラントイメージングにも有用である。

ルーチン検査においても高画質と撮像時間の短縮を実現し、信頼性の高い診断に貢献する。

左:従来の MRI による金属インプラント画像

右:High-V MRI による金属インプラント画像

頭部領域のルーチン検査画像(合計検査時間:21:02 min)

整形領域のルーチン検査画像(合計検査時間:10:49 min)

 

 

 

ブースインフォメーション

シーメンスヘルスケア ブースNo.B1-01

Siemens Healthineersは「We pioneer breakthroughs in healthcare. For everyone. Everywhere. ヘルスケアをその先へ。すべての人々へ。」というPurposeのもと、医療従事者の方々が質の高いケアを提供し、患者に最善の結果をもたらすことができるようサポートしています。世界で初めてVarianとの共同出展となる今回のITEMでは、最新の画像診断、画像ガイド下治療機器だけではなく「Comprehensive Cancer Care」をテーマとした包括的ながん医療へのアプローチを実現する製品やソリューションをご紹介します。

 

CT装置「 NAEOTOM Alpha」

フォトンカウンティング検出器を採用したNAEOTOM Alphaは、CTの定義を一新しました。QuantaMax detectorは革新的な直接信号変換をベースとしており、全く新しい方法で臨床結果を得ることが可能になります。
NAEOTOM Alphaは有意義で正確かつ再現性のある画像を提供し、ユーザーが治療結果を判断する手助けとなります。これまでにない幅広い臨床オプション、最小限の被ばく線量での高解像度な画像、一貫性のある臨床結果の提供により、確信を持てる意思決定が行え、これまで様々な理由により検査を受けられなかった被検者を撮影できる可能性が拡がります。

 

MRI装置「MAGNETOM Free.Max」

MAGNETOM Free.Maxは、デジタルと新しい磁場強度の融合により、質の高い医療へのアクセスの壁を打ち破り、MRIの適用を拡大します。
MRIの導入に経済的な壁がある場合、経済性を追求したライフサイクルコストによりその壁を打ち破り、設置環境が壁となる場合、DryCoolテクノロジーがさまざまな液体ヘリウムに関する問題から解放します。MAGNETOMFree.Maxは常識から私たちを解放し、MRIの新しい可能性の探求に貢献します。

 

画像解析ソフトウェア「AI-Rad Companion」

増加し続ける診断の需要に対し、放射線科医には大量の医療データを迅速かつ正確に処理できるAI技術を用いた新たなツールが必要です。AIを搭載したクラウドベースの拡張型ワークフローソリューションであるAI-Rad Companionは、基本的なルーティン作業の負担を軽減し、読影における診断精度を向上させることができます。このソリューションは、当社のAIを搭載したアルゴリズムにより、画像データセットのポストプロセッシングを行います。反復的なタスクや症例数の多いルーティン業務を自動化することで、日々の業務の負担を軽減し、より重要な課題に時間を割くことができるようになります。

 

分子イメージングテクノロジー「Whole-bodyDynamic PET」

一般的な全身PET検査ではある時点における静止画像が得られます。速度可変型連続移動によるPET撮像技術(FlowMotion)を用いて、全身を複数回往復して画像データを収集する全身ダイナミック撮像では撮像時間を延長することなく、従来の静止画像に加えて、動態画像を得ることができます。

 

マンモグラフィ装置「MAMMOMAT Revelation」

歴史のあるアナログ時代からのMAMMOMATシリーズがデジタルへ移行した今も低被ばく・高画質を実現。デジタル4機種目の精密検査対応デジタル乳房X線撮影装置です。広角撮影トモシンセシスがもたらすトモシンセシス高画質をお届けします。

 

PCI用支援ロボット「CorPath GRX」

ガイドワイヤやカテーテルの操作および保持を遠隔的に行うPCI用支援ロボットです。ロボット制御の遠隔的操作により手技の正確性がより向上し、造影剤使用量削減や患者/術者の被ばく低減、さらにはX線防護用器具着用が不要になることで、術者への身体的負担軽減が期待できます。

 

血管撮影装置「ARTIS icono D-Spin」

脳血管内治療にフォーカスした血管撮影装置。高度で複雑な救急医療の現場で必要とされる新機能の搭載により、最適なインターベンション治療の環境を提供します。

 

超音波画像診断装置「ACUSON Sequoia」

超音波画像診断装置には、複数のフォーカス点と時間分解能、深部到達度と空間分解能、そしてフレームレートとカラー感度など多くのトレードオフがあります。ACUSON Sequoiaは超音波画像診断装置が抱えている様々なトレードオフを最大限減らすことで患者の多様性の影響を受けにくい安定した高画質を実現します。

 

FD搭載モバイルCアームイメージングシステム「Cios Spin」

従来の2D画像では正確な情報を得ることが難しかった部位でも、高精細な3D画像で立体的な位置の把握を可能にすることでMIS(Minimally Invasive Surgery:最小侵襲手術)を強くサポートします。 新しいインターフェイスを採用することにより効率的なワークフローを実現し、ルーチンでの使用も可能。Cios Spinは、術中イメージングにおけるプレシジョン・メディシンの拡充に貢献します。

 

ITEM in JRC 2022ブース No.B1-01

 

シーメンスヘルスケア株式会社
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