【JRC2016 参加レポート】悪性神経膠腫に対する放射線治療戦略と治療前後の画像診断の役割-橋本弥一郎先生(東京女子医科大学 放射線腫瘍学講座)より

ITEM2016 Report(ITEM in JRC 2016 国際医用画像総合展):Expert’s Real-Time Voice
2016.04.17

橋本弥一郎先生(東京女子医科大学 放射線腫瘍学講座)よりJRC参加レポートを頂きました!
 
東京女子医科大学 放射線腫瘍学講座
橋本弥一郎
 
 シンポジウム6 4月16日(土) 9:50~11:50 場所:301(会議センター 3F)
「悪性神経膠腫に対する放射線治療戦略と治療前後の画像診断の役割」を拝聴させていただきましたので、報告させていただきます。
 
 悪性神経膠腫に対して、画像診断医と脳神経外科医と放射線治療医の話が一同に聴講できました。私は開始10分前に会場に到着しにもかかわらず、既に席はいっぱいで立ち見になってしまいました。悪性神経膠腫への関心の高さを感じました。
 
 私は放射線治療医ですので、悪性神経膠腫の術後照射を行う立場になります。基本的に病理学的な確定診断がついた後ですので、放射線治療前の画像は答えが分かった状態でMRIやPET画像を利用しています。しかし、放射線治療後のMRI所見で異常が出現した場合、再発であるのか放射線性脳壊死であるのか悩まされることが少なくありません。本講演では、これらの鑑別について最新の知見を用いて言及しておられ、大変勉強になりました。また、個人的には重粒子線治療の可能性では治療効果と有害事象の狭間で苦心されている小藤先生のお話が印象的でした。悪性神経膠腫に関しては、脳神経外科医が主導していくことはいたしかたないことですが、術前術後の各種画像、放射線治療範囲や照射法を駆使することで放射線科医の貢献度を挙げられる可能性を感じました。