【JRC2016 おすすめ演題現地レポート】原田耕平先生(札幌医科大学附属病院)より

ITEM2016 Report(ITEM in JRC 2016 国際医用画像総合展):Expert’s Real-Time Voice
2016.04.16

原田耕平先生(札幌医科大学附属病院)よりJRC2016おすすめ演題現地レポートを頂きました!
 
JRC2016 おすすめ演題 現地レポート
札幌医科大学附属病院  原田耕平
 
 4月15日(金)10:20~11:00(F203+204)にて行われた、「低管電圧撮像を用いた膵臓造影CT検査における投与ヨード量減量の検討」を拝聴してきました。膵臓のDynamic studyにおける造影効果を比較した臨床研究で、120kV,600mgI/kg群に対し、80kV,500mgI/kg群、80kV,400mgI/kg群との比較を行った内容でした。結果は膵実質の造影効果、S/Nも80kV,500mgI/kg群の方が有意に高く、80kV,400mgI/kgも120kV群と比べ著変なしということでした。また、各診断能(感度、特異度、ROC解析によるAUC)も変わらないという結果であり、造影剤の減量が可能であるという報告でした。気になったのは体格による影響で、特に高体重の場合に、S/Nは保たれるのか質問しました。今回の検討では極端に高体重の被検者が存在しなかったが、やはりそこは懸念材料であるという解答をいただきました。また、低管電圧撮影なので、腹部精査の時には用いるが、体幹部で骨盤までの撮像が必要なルーチン検査等では用いていないとの解答もいただきました。しかしながら、低管電圧撮影が臨床応用される時代になったことを実感する演題でした。
 

重山真一先生(岐阜大学医学部附属病院)

重山真一氏(岐阜大学医学部附属病院)