【JRC2015参加レポート】教育講演32 核医学3心臓 心筋シンチグラフィによる予後評価 —松尾信郎先生(金沢大学附属病院)より

ITEM2015 Report(ITEM in JRC 2015 国際医用画像総合展):Expert's View
2015.04.20

松尾信郎先生(金沢大学附属病院)よりJRC2015参加レポートを頂きました!

 

JRC2015参加レポート 教育講演32 核医学3心臓
金沢大学附属病院核医学診療科
松尾信郎
 
JRC2015 教育講演32 核医学3心臓
心筋シンチグラフィによる予後評価

 
心臓イメージングに関して言えば、正確な診断はまず大事なことであるけれども、リスクを評価するための画像診断であるかどうかは、臨床医にとっては重要なことです。核医学検査は、患者の心血管イベントリスクを評価すること、すなわち、予後評価のための必要不可欠な情報を提供します。オススメ演題でも紹介していた講演です。金沢大学中嶋憲一先生が講演で紹介された3つの核医学検査は、心筋血流検査、脂肪酸代謝製剤(BMIPP)イメージングと交感神経機能(MIBG)イメージングでした。心筋血流検査に関しては、J-ACCESS研究に基づいて血流欠損スコアと心機能の情報から心血管イベントリスクが求められています。BMIPPシンチグラフィは最近行われたB-SAFE研究のデータを用いてBMIPPの欠損スコアから検査後3年後の生存確率がわかっています。そして、MIBG心筋シンチグラフィに関しても心不全患者の心臓死のリスクが、心縦隔比(HMR)によって求められます。これらは全て日本人のデータベースに基づいて計算されています。こういった予後の情報を放射線科あるいは核医学医師は診断レポートに記載していく必要があるという内容の講演でした。今年の総会のテーマである「Be Cool and Practical」は、冷静に現状と近未来を見据えて実際的に対処することが肝要であるという意味だとすると、心臓核医学検査はこのために役に立つことができるように思います。
 
matsuo04
 
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