【JSRT2015参加レポート】非鎮静下における小児MRI患者に対する心の準備(preparation)の導入と有用性の検討 —古河勇樹先生(東京警察病院)より

ITEM2015 Report(ITEM in JRC 2015 国際医用画像総合展):Expert's View
2015.04.18

古河勇樹先生(東京警察病院)よりJSRT2015参加レポートを頂きました!
 
ITEM in JRC 2015 On-Site Report
東京警察病院放射線科
古河勇樹
 
MR Safety/MR検査医療安全 14:50~15:50
127.非鎮静下における小児MRI患者に対する心の準備(preparation)の導入と有用性の検討
聖路加国際病院 鈴木貴晴

 
本研究では、鈴木先生を始め多職種が協同となって、非鎮静下小児MRI実施を目指した検討が発表されています。小児科にあまり馴染みのないMRI従事者にとって、「preparation」はあまり知られていませんが、入院中の採血や点滴など日々の検査から手術まで多岐にわたり多くの施設で行なわれています。MRI・CT検査などでは木で作った模型を使って子どもの視点で検査について説明していくことが多いようです。
鈴木先生のチームでは「MRI検査体験ツアー」を行うことで心の準備(preparation)を行っています。ツアーではミッションを3つ(1 :検査中の音を聞く、2 :検査台に乗る、3 :クイズに答える)用意し、全てのミッションをクリアすると子どもは鍵がもらえ、宝箱を開けて中の宝をゲットできるという子ども心を刺激する内容となっています。
検査装置はワイドボアではなく、検査シーケンスは静音化技術を使用せず、検査時間も30分という、一般的な施設と同じ条件でも、20名中17名の子ども(ツアー参加者33名)が非鎮静下での検査ができたという素晴らしい結果でした。関係者スタッフ一丸となって取り組まれたからだと思います。小児MRIは基本的に鎮静下でおこなうという現在の検査のあり方に一石を投じる発表でした。

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