【JRC2014参加レポート】「宿題報告2低線量胸部CT検診の普及と今後の課題を聴講して」牛尾哲敏先生(滋賀医科大学附属病院)より

ITEM2014 Report (ITEM in JRC 2014 国際医用画像総合展):JRC & ITEM 2014 参加レポート
2014.04.15

宿題報告2「低線量胸部CT検診の普及と今後の課題(複十字病院 花井耕造先生)」を聴講して
 

宿題報告2は、元国立がんセンター東病院の花井先生による低線量胸部CT検診に関しての講演であった。花井先生は肺がんCT検診認定機構の理事でもあり、認定技師の発足から認定講習会の運営、さらには更新講習会の運営において尽力されていることは周知の事実であろう。講演では、肺がんの現状として、死亡数が多く5年生存率が低いことから、治りえる時期に肺がんを見つけることが重要で、この目的を達成させるために低線量肺がんCT検診が日本では広く用いられるようになり、National Lung Screening Trialからの報告も追い風となり、今後の普及が予想されるが、検診CTの膨大なデータ量をどのようにコントルールすべきか、質の低下を招かず検診を推進するにはどうすべきか、といった問題を解決するのが『肺がんCT検診認定技師』の役割であり、体制の構築が必須であると述べられた。認定技師には異常所見検出能力が求められており、認定医師とのダブルチェックや、線量の最適化と線量管理、低線量の定義の統一に向けた取り組みも認定技師の役割であることも述べられた。また、COPDによる死亡数も多いことから、今後の検診CTの普及にあわせて、肺がんのみならずCOPDへの早期介入も必要であること、また、今後の展望として、検診CTは対象者が健常者であり、レントゲンに比べ被ばく線量が多いことから、これらを解決するために逐次近似応用再構成による超低線量CT検査の有用性についても述べられた。新しい技術を積極的に導入し、安全で安心して受診できる検診体制の構築が重要であることを感じた講演であった。