【JRC2014参加レポート】「017 スタチンによるLDL低下療法中の頸動脈プラークの組織変化:縦断的研究」鎌形康司先生(順天堂大学)より

ITEM2014 Report (ITEM in JRC 2014 国際医用画像総合展):JRC & ITEM 2014 参加レポート
2014.04.15

4月10日(木)17:10~18:00(303) 4.循環器2:動脈
「017 スタチンによるLDL低下療法中の頸動脈プラークの組織変化:縦断的研究」
順天堂大 放 鈴木通真

 
本研究は、MRI(T1強調像、T2強調像、プロトン強調像、TOF-MRI)を用いて、高脂血症治療薬の一つであるHMG-CoA 還元酵素阻害剤ロスバスタチンによる頸動脈プラーク退縮と石灰化との関連を示した2年間にわたる縦断研究である。被験者は38人でロスバスタチン投与により、LDL-コレステロール、中性脂肪の低下とHDL-コレステロールの上昇が見られた。高脂血症治療薬による冠動脈・頸動脈のソフトプラークの退縮は既に知られているが、ロバスタチンによる高脂血症治療により、プラークの退縮が見られるだけでなく、プラーク内の石灰化が進むというのは非常に興味深い。さらにHDL-Cの変化と石灰化の程度は相関を見せるといい、今まで知られていなかった新しい知見である。
 

上段 ベースラインの総頸動脈MRI
下段 96週後の総頚動脈MRI
高信号を示すソフトプラークが退縮し、低信号を示す石灰化部分が増大している。