株式会社I.W.G、米国最高峰病院のスタートアップ支援プログラムから日本企業として初採択~ AI医療スタートアップによる国際的な共創が本格的に始まる~

2025.06.24
「AI Referral」イメージ図
「AI Referral」イメージ図

 株式会社I.W.G(本社:東京都、代表取締役:周 暁妍氏)は、米国最高峰の総合病院であるMayo Clinicが主催するスタートアップ支援プログラム「Mayo Clinic Platform_Accelerate」の2025年6月期コホートに、日本企業として初めて採択された。Newsweek誌「World’s Best Hospitals 2025」において7年連続で世界第1位に選出された同院と、AI医療スタートアップによる国際的な共創が本格的に始動した。


「Mayo Clinic Platform_Accelerate」は、医療とテクノロジーの融合による次世代の課題解決を目的とした30週間のアクセラレータープログラムだ。採択企業には、Mayo Clinicの臨床医やデータサイエンティストで構成される専門チームによる支援、非識別化された膨大な臨床データへのアクセス、ならびに業界最高水準の技術メンタリングが提供される。


 I.W.G社は、本プログラムを通じて、Mayo Clinicが保有する臨床データと知見を活用し、AI医療プロダクト「AI Referral」を共同開発している。「AI Referral」は、LLMを活用したAIエージェントで、テキストレポートから患者サマリーやタイムラインを自動生成し同時に医用画像(DICOM)にも対応することで、医療現場の効率向上を図るツールだ。

「AI Referral」の特長と導入効果

 「AI Referral」は、DICOM画像およびテキストレポートを並列に解析し、患者概要とドキュメントタイムラインを自動生成するツールだ。医師による症例の理解と意思決定を迅速かつ的確にサポート。さらに、モバイル対応のクラウド環境上で動作するため、医療現場におけるリアルタイムな連携と業務効率化にも寄与する。従来の医療連携システム「DOCloud」と連携させることで、モバイル端末からの記録共有・確認がスムーズに行えるようになり、健康診断や遠隔読影においても柔軟な対応が可能だ。

日本企業として初のJ-KISS

 採択と同時に、I.W.G社とMayo Clinicは日本企業として初めてJ-KISS型投資契約を締結した。J-KISS(日本版 Keep It Simple Security)とは、将来の株式転換を前提とした簡易型新株予約権契約であり、スタートアップの資金調達に広く用いられている。Mayo Clinicがこの形式で投資契約を結んだのは今回が初。締結に至るまでの約2カ月間には日米双方の弁護士チームによる入念な法務協議が行われた。本契約は、米国の医療機関による日本のスタートアップへの出資・連携の先例として、今後の国際的協業モデルに道を拓く。

医療クラウド「DCCloud」とその未来

 「DOCloud」は、病診連携、画像診断、レポート作成、請求処理、医用データ共有などを一元管理できるクラウド型医療連携プラットフォームだ。特に中小規模の医療機関や遠隔読影施設における導入・運用コストの削減と業務の効率化で成果を上げている。今回の「Accelerate」採択を契機に、「DOCloud」は「AI Referral」を統合し、文書要約、エラーチェック、画像品質評価などのAI機能を備えた次世代型医療クラウドとして進化を遂げた。Mayo Clinicの臨床ノウハウと、多言語対応の生成AI技術を組み合わせることで、グローバルな展開を加速させている。

マルチデバイス対応の医療連携システム「DOCloud」
マルチデバイス対応の医療連携システム「DOCloud」