遠隔画像診断を支える

2016.02.29

遠隔画像診断を支える

平澤之規
特定非営利活動法人メディカルイメージラボ事務局長

 現在のNPOは昨年(2015年)9月に設立されたが、NPOの母体となる株式会社メディカルイメージラボは2002年4
月に北海道大学発ベンチャー企業として設立された。北海道では広大な地域に病院が600ほど点在し、現在300台を
超えるCT・MRIが稼動している。これに対し放射線画像診断専門医は100名に満たない現状で、しかも専門医の多く
が大学病院や都市部の大病院に勤務している。この地域格差を是正するため、ICT技術を活用して専門医のいない病
院に仮想読影室を実現しようと、当時放射線科教授だった宮坂和男先生を中心に教室の先生方が協力して遠隔画像診
断支援事業を開始した。
 小職は1976年に東京都立放射線技師学校(現、首都大学東京)を卒業した後、東京慈恵会医科大学附属病院放射線
科で14年間、診療放射線技師として勤務した。その後1989年に医療系民間企業の物産メディカル(株)に転職、大手
商社の三井物産(株)を経て2002年4月に宮坂先生のお誘いをうけ、(株)メディカルイメージラボ代表取締役CEOに
就任した。
 大学病院で診療放射線技師として14年間、商社系企業で商社マンとして13年間、遠隔画像診断支援企業でCEOとし
て13年間勤務した経験を基に遠隔画像診断支援事業について感じていることを紹介する。


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