びまん性肝疾患の診療における 造影超音波の有用性について 〜動脈化所見のピットフォール〜

2013.11.26

松清 靖(東邦大学医療センター大森病院消化器内科)ほか

 ソナゾイド造影超音波で肝実質血流を検討すると、健常肝は門脈で灌流され、進行した肝硬変は動脈で灌流される(動脈化)ことが視認でき、病変病態掌握の役に立つ。しかし、稀ではあるが慢性肝疾患初期にもかかわらず実質が動脈で灌流される症例も存在する。それらを検討したところ、造影剤の経門脈性肝到達時間が大きく遅れており、そのため肝実質灌流が見かけ上の動脈化をきたしていることが判明した。実質灌流の解析に際して留意すべきピットフォールと考え報告する。