3D PACS研究会に参加して

2018.01.11

第10回3D PACS研究会の参加レポートを新潟労災病院中央放射線部の岩崎 友也先生にご寄稿頂きました!

 2017年12月23日(土)大阪、梅田スカイビルタワーイースト33Fのエーザイ(株)大阪コミュニケーションオフィスにて、『画像支援システムの構築』をテーマに第10回3D PACS研究会が開催された。

参加登録システム

3D PACS研究会について
 3D PACS研究会は、2006年に発足し、診療放射線技師の検査のワークフローである受付、検査(撮影)、画像作成、画像提供までの一連に関する臨床と医療情報を融合し、トピックスや基礎情報を中心に発信している研究会である。毎年12月は講演を中心とした研究会、夏には3D作成技術、モニター、検像といった医療情報管理をハンズオンセミナー形式で開催している。医療情報機器を中心とした機器展示も3D PACS研究会の特色のひとつである。代表は、国立病院機構山形病院の立石敏樹先生で、各種研究会や認定機構との連携もはかり、更新ポイントも多く得られる有意義な研究会である。

開始前の会場の風景

モーニングセミナー
 国立病院機構山形病院の立石敏樹先生座長のもと積水メディカルの大貫俊介氏より『大腸CT検査の現状について』報告があった。日本人の大腸がん罹患率は増え続けており、2016年の死亡率は第2位となっている。大腸がんの5年生存率はステージ1で90%以上、ステージ4で20%以下であり、早期発見により治癒する可能性が非常に高い。しかし、がん検診、精密検査の受診率が低いことから早期発見が遅れ死亡率が高くなっている。2次検査としてCTコロノグラフィーが期待されているが①読影の問題(読影者がいない)、②内視鏡をやった方がよい、③人員とCT予約の問題等により伸び悩んでいる状況がある。炭酸ガス注入器プロトCO2の導入施設の63%では大腸CT検査が行われていない現状があると述べた。

画像等手術支援制度について
 済生会川口総合病院の富田博信先生は日本診療放射線技師会で推進している「画像等手術支援認定診療放射線技師」について説明を行った。臨床現場の多くの3D画像は放射線技師により作成されているが、3D作成に関する法的な明記はない。今後、3D作成が放射線技師の仕事として社会的認知を得るには、認定制度を通じて制度化していくことが重要と述べた。なお、一回目の認定試験は平成30年6月に予定されている。