シーメンス・ジャパン、CT 装置でのルーチンデュアルエナジー検査を可能にする新技術「TwinBeam Dual Energy」の搭載を開始 *1

2015.09.13

 シーメンス・ジャパン(株)(以下、シーメンス)は、シングルソースCTで初めてルーチンデュアルエナジー検査を可能にする新技術「TwinBeam Dual Energy (ツインビームデュアルエナジー)」の搭載を開始した。「TwinBeam Dual Energy」 は、高エネルギーと低エネルギーの2種類のエネルギーで同時にスキャンすることで、時間的・空間的に誤差のない2種類の異なるエネルギーの画像データが得られる。これら2種類のデータにより、造影剤成分のみの抽出、骨や血管、石灰化などの組織分別、および腎結石の組成解析などの情報を画像化するデュアルエナジーイメージングが可能となり、高画質かつ低被ばくなルーチン検査を実現する。
 
TwinBeam Dual Energyがもたらすメリット
 これまで、デュアルソースCT *3 に限られていたルーチンデュアルエナジー検査が、汎用的なシングルソースCTで可能になるため、より幅広い医療機関で活用でき、より多くの被検者がデュアルエナジーによる先進的なCT検査を受けることができるようになる。また、デュアルソースCT以外の方式では困難であったロバスト性(画質・被ばくなど)や応用性・拡張性・発展性をシングルソースCTでも有することが可能となるため、臨床現場で求められている高いクオリティのデュアルエナジーイメージングを実現する。
 
TwinBeam Dual Energyのテクノロジー
 ルーチンデュアルエナジー検査のさらなる普及のため、シングルソースCTでも1回の照射でデュアルエナジーイメージングを可能にする技術として新たに開発された。X線管の新たな設計により、1つのX線管から照射される一本のX線束を2種類のエネルギースペクトルに分割・最適化することで、同時に2種類の異なるエネルギーの画像データを取得する。これにより、従来の単純な形態情報だけではなく、付加情報として組織分別・解析や描出、金属に起因するアーチファクトの低減、石灰化や骨の除去などが可能となる。また、造影剤成分のみを抽出した画像や、その比率を変えた画像を作成することもできる。反対に造影画像から造影剤成分を取り除くことで、仮想的な非造影の画像を作り出すことが可能となるため、非造影検査を省略できるほか、検査全体での被ばく低減にも寄与する。
 
■本技術に関するお問い合わせ
シーメンス・ジャパン ホームページ 製品紹介ページ:http://www.healthcare.siemens.co.jp/computed-tomography/single-source-ct/somatom-definition-edge/features
 
*1 搭載システム:SOMATOM Definition Edge、ならびにSOMATOM Definition AS+
*2 2015年3月現在
*3 1台のCT装置にX線管-検出器システムを2対搭載し、同時に撮影とデータ収集を行うシーメンス独自のテクノロジー
 

左:TwinBeam Dual Energy 概略図
右:関節に蓄積した尿酸を描出した痛風患者の臨床例