東芝メディカルシステムズ、アンギオシステムにおけるParametric Imaging 新表示法の販売開始

2015.09.13
(図1)硬膜動静脈瘻のDSA例
(図2)硬膜動静脈瘻のTTP例 (静止画)

東芝メディカルシステムズ(株)(以下、東芝メディカルシステムズ)は、アンギオワークステーション(注1)に標準構成されるParametric Imagingに新たな表示法Color Coded Circulation(CCC)を追加し、2015年4月よりV6.1として販売を開始する。

Parametric Imagingは、Infinix Celeve™-iで撮影された血管造影画像から画像濃度の変化をカラー表示し造影剤の動態を視覚的に表示するものだ。新しい表示法CCCでは、造影剤の流れる方向を動画で表示することで、直感的に理解しやすくなる。

Parametric Imagingは血管撮影画像から造影剤到達時間をカラー化し、時間の変化を表示することで、血管撮影画像の情報を補うことができるが、静止画であるため、流れの方向を理解するためにはカラー情報を理解する必要がある。CCCでは、色情報を細かく変化させ、繰り返し動画表示する。色の変化を動画像で観察することにより、造影剤の流れる方向を直感的に理解しやすくしたものである。

国立循環器病研究センター 脳神経外科 佐藤徹先生によりCCCの基礎検討がなされ以下の評価を得ている。

「硬膜動静脈瘻(注2)では、正確にシャントポイント(動脈と静脈が接続している点)の判断が必要になる。DSAや3D撮影では撮影時間分解能と造影剤のコントラストの関係でシャントポイントの判定が困難なことがあったが、CCCでは造影剤到達時間が色の循環として表示されるため、シャントポイントの同定が簡便になった。」
 
Parametric Imagingに追加される新表示法CCCについて

血管撮影装置で得られる撮影画像は、血管内に注入した造影剤をX線で可視化している(図1)。その画像は、モノクロの画素情報を持ち、連続的にX線を照射することで時間情報も持つ。Parametric Imagingは、血管撮影装置で得られた連続の動画像から1画素ごとに時間濃度曲線(Time Density Curve, TDC)を作成し、その曲線に対して、様々なパラメータで変換し、画像を作成する。
従来装置では、TDCの最大画素濃度点に到達する時間(Time to Peak, TTP)、最大画素濃度値(Peak Height, PH)およびTDC積分値(Area Under Curve, AUC)を色付け表示(図2)が可能だったが、V6.1では造影剤到達時間(Time to Arrival, TTA),平均通過時間(Mean Transit Time, MTT)に加え、TTAをもとにした静止画の色を循環させ動画表示するCCCを開発した。(図3)
 
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(注1):X線循環器診断システムInfnix Celeve-iシリーズに組合せ可能なアンギオワークステーションXIDF-AWS801
(注2):硬膜動静脈瘻とは異常血管により動脈と静脈が毛細血管を経ず直接つながって、穴が開いている(瘻孔形成)状態となり、その瘻孔を通って血液が異常静脈へと流入し、圧の高い血液が正常静脈へと流れ、短絡という状態を起こす。
 
□販売名 アンギオワークステーションXIDF-AWS801
□認証番号 224ACBZX00032000
 
■本資料に関するお問い合わせ
東芝メディカルシステムズ株式会社
広報室 江野 0287-26-5100
 
【参考資料】
(図3)
CCCでは色を循環させ動画表示させる (図3画像)
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