東日本大震災・大津波と岩手県の医療情報連携・遠隔医療

2012.01.30

東日本大震災・大津波と岩手県の医療情報連携・遠隔医療

岩手医科大学医学部小児科
同附属病院循環器医療センター循環器小児科
小山耕太郎

 多数の犠牲者を出した東日本大震災・大津波は岩手県沿岸地域における大規模な通信の遮断と医療情報の消失をもたらした。災害医療支援などの情報収集や遠隔医療が困難となり、避難所や医療機関では調剤情報がないことから患者への対応に混乱がみられた。一方、医療クラウドで保管、管理されていた妊婦情報は被災を免れ、住民の健康を災害から守る上で医療情報連携がいかに重要であるかが如実に示された。医療情報連携のための冗長化されたシステムとその運用とによって、災害に強く、質の高い、保健・医療・福祉の新しい体制を構築する必要がある。