日露循環器病画像診断トレーニングセンター設立~ロシアの循環器画像診断を支援~

2015.09.13

 一般社団法人Medical Excellence JAPAN (以下MEJ)と東芝メディカルシステムズ(株)(以下東芝メディカルシステムズ)は、I.M. Sechenov First Moscow State Medical University(以下、モスクワ第一医科大学)およびA.L. Myasnikov Institute of Clinical Cardiology(以下、モスクワ循環器センター)と共同で、日露循環器病画像診断トレーニングセンターを設立した。現地時間9月7日11時より現地にて開所式を行う。
 本トレーニングセンターは、経済産業省の「2013年度医療国際展開加速化促進事業」の1つである「日露循環器病画像診断トレーニングセンター設立プロジェクト」として、MEJおよび東芝メディカルシステムズが2014年10月に基本合意をロシア側と締結、2015年1月に契約を調印し、準備を進めてきたものだ。
 本トレーニングセンターでは日本の最新医用画像診断機器によるトレーニングを導入し、ロシアにおける循環器画像診断と治療の更なる向上を支援する。さらに、ロシア国の医師の生涯教育(CME, Continuous Medical Education)プログラムに組み込むことで、定期的かつ広範に、より高度な画像診断技術を習得した医師の育成を推進する。
 ロシア国民の平均寿命(2013年)は男性63歳、女性75歳(注1)であり、死因を見ると虚血性心疾患や脳血管疾患などの循環器系疾患による死亡が61.9%(注2)と最も多くなっている」。
このたび新たに設立したトレーニングセンターでは日本の最新の医療機器を用いて、ロシアの医師に対してトレーニングを実施し、循環器診断・治療の技術レベル向上を支援する。より多くの循環器専門医を育成することで早期診断・治療によって疾病の重症化を予防し、ロシアにおける循環器系疾患による死亡率低減に貢献する。
 本トレーニングセンターにおいて、MEJは、日本の医師の派遣支援を行う。東芝メディカルシステムズは、循環器疾患の早期診断・治療に必要な医用画像診断機器を現地の医療機関に提供する。モスクワ第一医科大学、モスクワ循環器センターは、施設とスタッフを提供し、研修を実施する。
 日本とロシア協同によるトレーニングセンターは、ロシア国民のQOL向上と平均余命の改善に寄与できるものと考える。MEJと東芝メディカルシステムズは、同国における医用画像診断教育を通じて医療の質の向上に貢献していく。
 
トレーニングセンター概要
Russia-Japan Cardiac Imaging Training Center
 
(1)I.M. Sechenov First Moscow State Medical University(モスクワ第一医科大学)
1-モスクワ第一医科大学(1)
モスクワ第一医科大学
 
住所:Bolshaya Pirogovskaya st. 6 building 1, Moscow 119991, Russia
延べフロア面積:260平方メートル
収容人数   :16名
主要機器   :640スライスエリアディテクタCT(Aquilion ONE™/ ViSION Edition)
        超音波診断装置(Aplio™ 500)
        X線アンギオグラフィ(Infinix™ CF-i)
        医用画像処理ワークステーション(VitreaAdvanced)(注3)
 
(2)A.L. Myasnikov Institute of Clinical Cardiology(モスクワ循環器センター)
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モスクワ循環器センター
 
住所     :121552 3ya Cherepkovskaya 15a, Moscow, Russia
延べフロア面積:95平方メートル
収容人数   :6名
主要機器   :640スライスエリアディテクタCT(Aquilion ONE™/ ViSION Edition)
        医用画像処理ワークステーション(VitreaAdvanced)
 
(注1):出所:WHO世界保健統計2015年版
(注2):出所:ロシア連邦国家統計局
(注3):国内未販売製品
 
■Medical Excellence JAPANについて
 一般社団法人Medical Excellence JAPAN(MEJ)は、官民一体で、日本と相手国の医療界の人的ネットワークを構築し、相手国の医療の課題やニーズを踏まえ、日本の医療と、医療機器や医薬品、人材育成、医療・保険の制度・システムなどをトータルのパッケージで輸出し、日本式の医療を海外展開する取り組みを推進している。
 さらに、医療に関する様々な事業機会を組み合わせて相手国に医療機関を整備し、日本の先進医療を必要とする相手国の患者には、日本の医療機関での受入れを支援し、日本の医療サービスを切れ目なく提供し続ける。
Medical Excellence JAPANホームページ:http://www.medical-excellence-japan.org