JIRA、「第9 回画像医療システム等の導入状況と安全確保状況に関する調査」紹介記事を日本放射線技術学会雑誌に掲載

2011.10.27

 (社)日本画像医療システム工業会(以下JIRA、会長 加藤 久豊)は、2010年11月~12月に日本放射線技師会の協力のもと全国の医療機関1,000施設を対象に調査した「第9 回画像医療システム等の導入状況と安全確保状況に関する調査」結果を2011年5月に発刊した。本調査結果を日本放射線技術学会雑誌の2011年7、8月号に紹介した。

 JIRAは1988年より継続して画像医療システムの「平均買い替え年数」、「稼動年数別台数」、「保守点検状況」の調査を実施し、今回で9回目となる。
 従来は5年間隔で実施してきたが、近年の画像医療システムを取り巻く状況変化の速さに対応して第5回(2006年)からは毎年調査を実施している。また、稼働台数は、国際比較もできるように第7回調査(2008年)からCOCIR(欧州放射線・医療電子機器産業連合会)調査と同じ年数区分別の台数に変更して調査している。

 2010年調査では、第7回調査(2008年)から追加実施した2007年の医療法及び医療法施行規則により義務化された「医療機器安全管理責任者の設置と医療機器の保守点検計画の策定その実施対応状況」についても調査した。
 調査は全国の医療施設を「99床以下」、「100~299床」、「300~499床」、「500床以上」の四つの病床群に分類し無作為抽出した合計1,000病院の放射線担当部門の責任者対象にアンケート実施し、回収した526件(回収率53%)について分析した。

調査結果の概要は、次の通り。

1.「平均買い替え年数」
「X線CT装置」「血管撮影用X線装置」「MRI装置」「SPECT装置」「粒子加速装置」「超音波装置」「CR画像処理装置」の代表的7機種の「平均使用期間」は、第7回(2008年)の調査から11年を超える長期使用が固定化されている。

2.「装置の稼動年数別台数」
装置の稼動年数別台数調査では、「10年を超えて使用している機種」は、調査対象の52機種中13機種の装置で50%以上、20機種の装置で40%以上となっている。

3.「保守点検実施状況」
長期使用環境下での保守点検実施率については、従来から保守点検実施率が90%超と高い「X線CT装置」、「MRI装置」では前回とほとんど変わっていないが、「超音波診断装置」と「回診用X線撮影装置」、「外科用X線撮影装置」、「車載用X線撮影装置」は前回調査より向上している。
これは、これまで実施率の低かった機器が行政、産業界、医療関係団体などからの種々の啓発によってようやく向上傾向になった結果と見ることができるが、こうした機器での保守点検実施率そのものは、依然低い結果であり、改正医療法への対応という点では危惧される状況といえる。

4.「医療機器安全管理責任者の設置状況など」
医療機器安全管理責任者の設置状況については、昨年より6.3%向上し、91.3%の施設で「設置している」と回答しており、改正医療法施行後3年半を経過して、ようやく90%を超える結果となった。
なお、安全管理責任者の義務として、医療機器の保守点検計画の策定と実施があるが、「策定している」施設は約80%にとどまっている。

尚、本調査の報告書は、JIRAのホームページから購入可能。
http://www.jira-net.or.jp/publishing/publishing.html#40

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社団法人 日本画像医療システム工業会
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