【RSNA2015 Realtime Report】塚田実郎先生(RWTH Aachen University) Part.2

RSNA2015 Report:RSNA Realtime Report
2015.12.04

High Flow Malformations-How I Treat Them
Tuesday 10:20-10:35 AM | RC314-08 | E351

 
RadiologyにおけるInterventional Radiologyは末梢に位置する存在であるが、IVRistの技術を多いに発揮できる領域の一つであるArteriovenous Malformations (AVM)の治療に関して、UKのDr.Jackson JEの発表はメッセージが明確でわかりやすく、印象的な発表であった。彼はnidusを排水溝の溜まり場(Venous Sump)であると考え、動脈から静脈へ移行するSumpを集中して潰すことで血流の静的状態を作り出し、最終的に液状塞栓物質でAVMを効果的に閉塞することができると発表し、会場の共感を得ていた。
日本ではOnyxが腹部・末梢血管領域で使用できないためGlueやCoil/plugといった塞栓物質に頼らざるを得ないが、一度静的状態を作り、造影剤で大まかに把握した量よりやや少なめの塞栓物質で多段階的に塞栓をすべしというコンセプトは、今やAVM加療の大原則といってよい。また「決して術中の完全なAV shuntingの消失を期待するな」と明記するあたり、困難な症例を多く経験したIVRistらしいメッセージが込められていた。
国際学会でevidenceや大規模studyの結果を情報として正しく認識することは大変重要であるが、たまに散見される症例やテクニックを紹介する講演は画像も多いということもあり、肩肘はらずに聴ける気分転換となってよいと感じた。
 
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