CIRSE2019 参加印象記

2019.10.04

CIRSE2019の参加レポートを
道本顕吉先生(富士市立中央病院)にご寄稿頂きました!

 

 CIRSE 2019 (Cardiovascular and Interventional Radiological Society of Europe) が9月7日から11日の5日間に渡りスペインのバルセロナで開催された。

バルセロナ

 CIRSEの歴史を遡れば、第1回が1985年にオーストリアはウィーンで開催され、今年で35回目となる。開催都市は欧州各地を転々としているが、近年では3年に1度はバルセロナで開催されており、累計5回目の開催となる。この時期のバルセロナは暖かく、夜は20時頃まで明るいため学会終了後も楽しめる。もちろん観光の見所は多いし、店を選べばワインやパエリアは美味しいし、物価はそれほど高くなく、ハード面の年季こそ感じるが交通網も発達している。7,000人規模の本学会が開催可能な都市は限られてくると思われるが、「まぁバルセロナにしておけば間違いはない」といった選択肢なのだろうと愚推する。直行便が無いという日本人固有の問題については目をつむるしかないのであろう。余談であるが、どうもこの時期は航空会社のストライキが頻発するようで、筆者の予約した乗り継ぎ便はストライキに重なり少々の予定変更を要した。

学会場外観。天候にはまぁまぁ恵まれた。

全体像

 CIRSEではClinical Evaluation CourseやFocus Sessionなど該当領域の第一人者の講演や討論といった教育的なセッションが多く、午後にかけてNews on StageやFree Paper Sessionといった一般演題のセッションが入る。Simulation Training やHands-on Device Trainingにも相当の時間が割かれており、また学生参加者を対象としたStudent ProgramやStudent Loungeの存在も印象的である。放射線防護に関する内容も充実し、Radiation Safety Pavilionのブースでは毎日5~10件程度のRadiation Safety Talkなる講演が催されていた。News on Stage AreaやRadiation Safety Pavilionには「さぁ、くつろいでくれ」と言わんばかりの横になれるクッションが用意され、参加者は思い思いの体勢でくつろぎながら講演を聞いていた。Satellite Symposiaは企業主導のセッションであり、昼時に参加すれば日本のランチョンセミナーのような講演となる(昼食内容はパン、パスタ、青リンゴ丸々1個。講演中にリンゴをかじり出す人はついに現れなかった)。これらセッションのほぼ全ては、会期中よりCIRSE Libraryにて閲覧可能であり「聞きたい講演が重なってしまい聞けなかった」という理論が通用しなくなった。Library閲覧のためCIRSE memberに入る事はもはや必須と言える。

★続きはRadFan2019年11月号にてご覧ください!