中国色たっぷりのECR2018

2018.03.08

「中国色たっぷりのECR2018」を鈴木一史先生(東京女子医科大学画像診断・核医学科)にご寄稿頂きました!

 ECR(欧州放射線学会議)が2月28日から3月4日までオーストリアのウィーンで開催された。ちょうどヨーロッパを襲った強烈な寒波と重なり、初日から最高気温がマイナス5度くらいの日が続き、RSNAが開催される冬のシカゴにも負けない寒さとなった。
 今年の標語はDiverse and United(多様性と統合)であり、国際色豊かな学会を目指していることを明確に打ち出していた。ESR(欧州放射線学会)が開催するのでヨーロッパ各国に配慮するのはもちろんなのだが、それ以上に中国との連帯を目玉に打ち出しているのには驚いた。中国から多数の演者を招待している他、多数の演題が中国語に翻訳され、中国国内からも動画で視聴することが可能とのことである(中国国内からは多くのインターネット上のサービスがブロックされている)。会場のメーンホールの中央には中国風の龍の彫像が飾られ、プログラムなどの印刷物の表紙にも龍が多く用いられていた。米国主導のRSNAではここまでの中国よりの開催は難しいだろう。ESR会員のうち、北米からの会員は全体の7%しかいないので、実はECRとRSNAの参加者の構成はかなり異なっていることになる。日本から見るとRSNAもECRも似たもののように思われるが、ヨーロッパや中国から見るとECRとRSNAはまったく別物なのかもしれない。

会場のメーンホール中央に設置された龍の彫像。各種印刷物などにも龍のモチーフが繰り返し用いられていた。

 今回の学会では昨年のRSNAに続きAI(人工知能)がトピックとなっていたが、特設コーナーの人出はまばらであった。ひとくちにAIと言っても、実際に研究されている内容が多岐にわたる上、客観的な評価が明確でないことが多いようである。統計解析や定量的評価、ROC解析などの確立された評価方法をきちんとAIの研究にも積極的に用いる必要がある。
 学会の用意したセッションとは別に展示ブースにおいて各ベンダーもAIへの取り組みを表明していたが、どこもまだ手探りな様子が伝わってきた。

東芝メディカルシステムズはキヤノンの傘下でキヤノンメディカルシステムズとして再出発した。ECRでは旧キヤノンと旧東芝を合わせたような大きなブースを用意し、MRの新製品も投入する力の入れ具合であった。
サムスンのブースにおけるAIを用いたワークフローについてのプレゼンテーション。具体的な製品としてはどのベンダーも部分的にしかAIを取り込めていないので、どうしても抽象的な話題が多くなりがちであった。

 今回はEPOSだけの参加だったが、実はちょっとしたトラブルがあった。初日に会場のEPOS閲覧コーナーで自分のEPOSを確認しようとしたら、いくら検索してもたどり着けなかった。現地の担当者に訴えたところ、技術的な問題のようだとの返答であった。幸い、約2時間ほどで正しく表示されるように修正されたが、EPOSは出しっぱなしでいいなどと慢心せず、きちんと確認することが大事だと思った。

★続きはRadFan2018年5月号にてご覧ください!

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