第56回日本核医学会学術総会 参加印象記

2016.12.09

第56回日本核医学会学術総会の参加レポートを山根登茂彦先生(埼玉医科大学国際医療センター核医学科)にご寄稿頂きました!

図1 名古屋国際会議場正面入口
図2 名古屋国際会議場エントランスホール
図3 名古屋国際会議場中庭
期間中は好天に恵まれた。
図4 タブレットによるプログラムの閲覧
冊子抄録集は廃止され、抄録はスマートフォンやタブレットで確認することが一般的となりつつある。
図5 第1会場(センチュリーホール)
特別企画であるPET症例検討会が行われている様子。

 

はじめに
 第56回日本核医学会学術総会は2016年11月3日から5日までの3日間、名古屋国際会議場(名古屋市熱田区)で開催された(図1〜3)。会長は国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の脳機能画像診断開発部部長である伊藤健吾先生が務められた。伊藤先生は脳核医学研究の大家で、アルツハイマー病に関する本邦での多施設研究であるSEAD-Japanの研究代表者、J-ADNIではPETコアの代表としても知られている。また本学会では副会長が設けられており、藤田保健衛生大学の外山宏先生、名古屋大学の加藤克彦先生が務められた。
 多数のシンポジウム、教育講演、一般演題等が組まれており、工夫を凝らした新企画も目立った(図4、5)。この印象記では、核医学領域で最近注目されているトピックを挙げて、学会内容を振り返りたい。

前立腺癌 Ra-223、そしてPSMA
 前立腺癌に対する核医学的アプローチが急速に拡大している。第一に挙げられるのは、塩化ラジウム-223(ゾーフィゴ®)による内用療法が開始された点である。本邦の核医学内用療法として初めてα線放出核種を用いた薬剤である。骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に対して用いられ、全生存期間が延長するとされている。2016年6月に販売が開始されたばかりであり、治療を行う施設は今後さらに増加するものと思われる。薬剤の取扱いに際しては、法令に則った適切な対応が必要である。製剤の特性や関連法規に習熟した核医学科医・放射線科医による管理の重要性が強調された(シンポジウム5)。
 第二に挙げられるのは、前立腺特異膜抗原(PSMA)を標的とした診断、そして治療用トレーサの開発である。現在のところ本邦では臨床応用されていないが、国外では既に多数の臨床経験が報告されている(招待講演2、招待講演5)。腫瘍トレーサとして広く用いられているF-18FDGは前立腺癌に対して特異性が低く、酢酸、コリン、各種アミノ酸など、他の代謝過程を画像化するトレーサが期待されていた。しかしこのGa-68等で標識されたPSMAを用いたPET/CTでは、これらを凌駕する診断能が報告されており、センセーショナルな内容となっている。またこのPSMAをβ線放出核種であるルテチウム-177で標識することで、核医学内用療法が可能となる。欧州では既に複数の多施設研究が行われており、症状の改善や生存期間の延長が報告されている。このようにPSMA製剤に関しては、診断薬、治療薬ともに有効性は極めて高く、当面は腫瘍核医学分野における中心的な話題になるものと考えられる(シンポジウム4-3)。

★続きはRadFan2017年1月号にてご覧ください!

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