関西IVR地方会:天候同様、あつい1日でした

2013.08.05

6月29日、大阪OBPクリスタルタワーで開催された日本IVR学会第34回関西地方会(第55回関西IVR研究会)の参加レポートを京都府立医科大学の田中 治先生にご執筆頂きました!

京都府立医科大学
田中 治

はじめに

 平成25年6月29日に、大阪OBPクリスタルタワーで開催された日本IVR学会第34回関西地方会(第55回関西IVR研究会)に参加した(当番世話人:関西医科大学放射線科 谷川昇教授)。梅雨の合間にもかかわらず幸い当日は朝から晴天で、200名を超える参加者が集い、会場は大盛況であった。5月の日本IVR学会総会の直後で、なおかつリザーバー研究会と日程が重なっていたにもかかわらず、全部で34演題と多くの演題が集まっていた。また、1演題あたり10分(発表時間7分、討論時間3分)と十分に時間が設定されていたため、内容の濃い発表とディスカッションが行われていた。全演題中、合併症や副作用に関する演題がいつもよりも多い印象を受けた。

ランチョンセミナー

 大阪大学の大須賀慶悟先生が、「新しい塞栓物質の話題」と題して講演された。ハイドロジェルコイル、Amplatzer Vascular Plug(AVP)、ビーズの3種類のデバイスに関して、ご自身の使用経験をもとに非常に明快に講演されており、大変わかりやすかったのではないかと思う。
 ハイドロジェルコイルは、コイルに塗布されているハイドロジェルが膨張し、コイルの容積が拡大することで塞栓効果が増すという概念のもとで開発されたデバイスである。欧米では切除不能肝癌に対し放射性同位元素を用いたradioembolizationが比較的よく行われているためか、GDAのコイル塞栓において、ファイバーコイルよりも少ない使用個数で同等の塞栓効果が得られる報告が最近のJVIR誌にも掲載されていた。欧米ではpushable typeとdetachable typeの両方が使用されているようだが、日本ではdetachable typeのみの発売である。3分以内にdetachをしなければならない点がコイルの扱いに慣れていない者にとってはプレッシャーであるが、講演を拝聴している限りでは非常に便利なデバイスのように感じた。また、プリパレーションは蒸気で蒸らすよりも60℃程度の温生食に浸して行った方がよいという、ご自身の経験に基づいた使用法を紹介されていたので、実際使用する際には試してみたいと思う。
 AVPは以前の関西IVR地方会で某施設から症例報告が発表された時から、個人的にはもっとも興味のあるデバイスのひとつであり、講演が非常に楽しみであった。欧米ではⅠからⅣまでがすでに臨床応用されているが、日本ではⅠとⅡのみが使用可能となる見込みであることを紹介されていた。実際使用可能になるまではもう少し時間がかかりそうではあるが、早く使用可能となって欲しいものである。
 ビーズは日本では2社からいよいよ発売されそうな感じだが、適応疾患が異なることを強調されていた。先般の日本IVR学会総会の際にも数多く取り上げられていたため詳細は割愛させていただくが、これまでのゼラチン製剤で行っていた塞栓術とは大きく「詰め方」が異なるため、慣れるまでかなり戸惑いが生じるのではないかと思う。

マイクロバルーン

 マイクロバルーンに関する発表が2題あった。1題目はマイクロバルーン閉塞下のコイリング(B-coilingと命名していた)に関するものであった。肺AVM、脾動脈瘤、食道静脈瘤に対するPTOの3症例に対し、2種類のマイクロバルーンカテーテルを使い分け、見事に治療を行っていた。0.018inchのコイルが使用できないこと、コイリングへの使用に対してはメーカのお墨付きが得られていないとのことであったが、通常の4Frもしくは5Fr血管造影システムを用いて、フローコントロール下にコイリングが施行できるのは、個人的には非常に良いのではないかと思った。2題目は腎血管筋脂肪腫に対する破裂予防のTAEを、マイクロバルーン閉塞下に行ったという演題であった。片腎患者であり、正常腎の塞栓効果を最小限に抑えたいという意図のもと、塞栓物質のmigrationを最小限に抑えるというコンセプトでマイクロバルーンを併用していた。意図はよく理解できるのだが、マイクロバルーンを併用することで腫瘍に対して腎被膜動脈など周囲血管からの側副路が発達し、腫瘍塞栓が不十分になることが危惧された症例であったように思う。HCCに対するB-TACEが何かと話題になっているが、バルーン閉塞を行った後の腫瘍の血行動態には十分注意を払う必要があると思われる(当たり前だが…)。

続きは「RadFan」9月号(2013年8月末日発売)にてご高覧ください。

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