第22回日本心血管画像動態学会見聞記

2012.02.09

第22回日本心血管画像動態学会見聞記
 

愛媛大学医学部放射線科 
城戸倫之

図1 熱い発表と討論が繰り広げられた学会会場
図2 三重大学からのハイビジョン中継
図3 ワークセッション「冠動脈CTの画像処理と読影の実際」
2012年1月27日、28日に名古屋市で開催された第22回日本心血管画像動態学会に参加した。「冠動脈イメージングの現状と近未来」薬物介入(OMT)とPCIの評価~CT、MR、OCT、IVUS、FFR、CAS、Echo、RI入門から応用まで~というテーマで開催された本学会は、主に循環器内科医と放射線科医が中心となり、お互いの最新の技術や知見、研究内容を発表し、活発に意見を交換する熱い会である。また、今回は第7回日本血管内OCT研究会、第74回心臓血管放射線研究会も併催され、その研究内容や取り扱う画像診断モダリティもバラエティーに富んだものとなり、多くの講演や発表が行われた(図1)
 私は放射線科医として、循環器画像診断に携わるようになった3年前からこの学会に参加しているが、毎回大きな刺激を受けている。もちろん他にも多くの学会があるが、本学会の魅力は循環器診断/治療という一つの分野に対して、実際に臨床現場に携わる循環器内科医としてのCT、MRIのセッションを中心に参加したが、そのなかで特に印象に残った内容について報告させていただく。
 まず初日は午前に2時間半、「心臓CT/MRIの最新動向:このライブを見ればすべてがわかる」というテーマで三重大学の佐久間 肇先生により、三重大学医学部附属病院から、二管球搭載CT(DefinitionFlash、Siemens)とMulti-transmit、デジタルRFコイルを搭載した3T MRI(Ingenia 3.0T、Philips)を用いて、実際の撮像と読影の様子がハイビジョン中継された(図2)
 Definition Flashでは、二管球が螺旋軌道を描きながら、高いピッチで撮像を行うFlash Spiral撮影を行うことができる。これを心臓に用いることで、従来の撮像と比べて大幅に撮影時間を短縮し、心拍などの条件さえあえば冠動脈CTの被ばくを1mSv以下に押さえることができる。また、Dual Energy撮影を行うことでヨード強調画像など、新たな心筋灌流評価の可能性が見いだされてきている。
 一方、Ingenia 3.0Tでは、Multi-transmitによって従来の3T MRIの弱点であるRFの不均一を克服しつつ、高磁場とデジタルコイルによりS/Nの高い画像を得ることができる。これにより非造影MRAでも、これまで有用とされていた1.5Tと同等以上の画像を得ることができるようになり、心臓MRI診断は本格的に3Tの時代に突入するという印象を受けた。
 今までは冠動脈評価に関してはCT、心筋評価に関してはMRIにその優位性が示されてきたが、機器やプロトコールの進化により、今後はそれぞれの分野への有用性の拡大が期待される内容であった。
 続いて行われたワークセッションでは「冠動脈CTの画像処理と読影の実際」というテーマで高瀬クリニックの近藤 武先生、桜橋渡辺病院の小山靖史先生、三重大学医学部附属病院の北川覚也先生、愛媛大学大学院の城戸輝仁先生らによる発表と討論があった(図3)。冠動脈CTの撮像方法から画像処理、読影方法や注意点、所見の記載方法など、実臨床にそった活用方法が示され、大いに盛り上がった。なかでも、近年注目を浴びているCT値によるplaque性状評価に関しては、血管内腔のCT値の影響や撮像条件の違い、実際の治療方針にどの程度の意味づけをするべきかなど、臨床現場で活用するにはまだ乗り越えなければならない問題点が示唆され大変興味深かった。

※続きは「RadFan2012年3月号」(2012年2月下旬発売)にてご高覧ください。