富士フイルム、動物医療事業を強化「富士フイルムVETシステムズ株式会社」を設立

2019.07.01

 富士フイルム(株)は、グループ会社で動物検体受託検査会社の「富士フイルムモノリス」と、国内の医療機器販売会社である「富士フイルムメディカル」の「動物医療事業部門」を統合し、動物医療現場で必要とされるさまざまな医療機器・サービスを提供する「富士フイルムVET(ベット)システムズ(株)を、本日設立する。FFVS社を設立することで、動物医療事業を強化する。
 「富士フイルムモノリス」は、国内トップシェアの動物検体受託検査会社として、国内10か所に受託検査所を配置し、日本全国の動物医療施設から直接検体を集荷し、迅速に検査結果を報告することで、動物医療に貢献してきた。「富士フイルムメディカル」の「動物医療事業部門」は、富士フイルムが開発・製造する動物医療向けのX線・超音波画像診断装置、臨床化学分析装置、検査データ処理支援システムなどを国内で販売・提供してきた。
 FFVS社は、これら2社の機能を集約し、拡大する動物医療市場にさまざまな製品・サービスを提供していく。さらに、FFVS社は、動物医療施設内で得られた検査データ・画像情報と、FFVS社で受託した検体検査の結果を統合管理する新サービス「FUJIFILM VETELINK Network(フジフイルム ベテリンク ネットワーク、以下FVN)」を今秋より開始する。
 近年、日本では、ペットの高齢化が進み、ペットがかかる病気は癌、心臓病、腎臓病、糖尿病など、多様化している。予防の観点から、血液検査やX線撮影などによる健康診断ニーズが高まっており、検査の需要が拡大している。需要拡大の一方で、動物医療施設における診療業務の効率化が求められている。
 新サービスFVNは、動物医療施設内で撮影したX線画像、血液検査データやFFVS社で受託した検体検査の結果を専用クラウド上に統合して管理するサービスだ。FFVS社で受託した検体検査の結果は、オンラインで自動的にFVNに格納される。動物医療施設内では、これら検査結果の入力作業を省略でき、検査業務の効率化に繋がる。獣医師は、FVNに管理された全ての検査データ・情報を時系列で確認できるため、診断効率が飛躍的に向上する。
 また、FVNで管理しているX線診断画像を、経験豊富な動物画像診断医に読影依頼できる「読影支援サービス」も同時に開始。質の高い読影結果を提供するとともに、動物医療施設の医師の診断効率化に貢献する。
 さらに、今後、FVNで管理する検査・診断情報を動物医療施設がペットオーナーに共有し、ペットの過去からの検査履歴を自宅で閲覧できる機能を開発することも検討している。動物医療施設とペットオーナーが一体となってペットの健康を維持できるようにしていく。
 富士フイルムは、FFVS社を設立することで、動物医療事業をさらに強化し、多様化する動物医療の現場のニーズに迅速かつ的確に応え、さらなる診断・検査の効率化と動物医療の質の向上を目指すとともに、ペットと人が安心・健やかに暮らせる社会に貢献していく。
<FFVS社の概要>
社名:富士フイルムVETシステムズ株式会社
設立年月日:2019年7月1日
所在地:【本社】東京都調布市。全国12拠点に営業所を展開。
資本金:1,200万円
代表取締役社長:藤原 清隆
従業員数:263名
事業内容:動物用診断機器・診断薬等の販売、動物臨床検査の受託、検査データ管理・読影支援サービスの提供

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富士フイルム株式会社メディカルシステム事業部
TEL:03-6447-5100