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日立、医薬品・医療機器の迅速な開発を支援する「患者レジストリサービス」を提供開始

2017.10.20

医薬品、医療機器の迅速開発に資する質の高いデータをクラウドで収集・活用
 (株)日立製作所(以下、日立)は、医薬品や医療機器の迅速な開発を支援するヘルスケア分野向け「患者レジストリサービス」を2018年4月1日から提供開始する。患者レジストリとは、患者の疾患、治療内容、治療経過などを管理するデータベースである。「患者レジストリサービス」は、日立の秘匿情報管理サービス「匿名バンク」を利用し、安全な個人情報収集と患者レジストリ運営を支援するクラウド基盤を医療機関や製薬企業を対象に提供する。臨床試験データを電子形式で提出、または保存する際の留意事項であるER/ES指針*1に対応し、データの信頼性を担保し、医薬品や医療機器の開発を支援する。
 医薬品の開発費用は世界的に高騰し、臨床研究・治験の効率化が求められている。特に希少疾患は全国に患者が点在しており、臨床研究だけでなく製造販売後の安全性評価にも多くのコストがかかっている。このような中、厚生労働省が提案したクリニカル・イノベーション・ネットワーク*2構想の中で、患者レジストリによる情報収集の効率化とコスト低減が期待されており、2018年4月施行予定の省令*3では、基準を満たす患者レジストリのデータが製造販売後の安全性評価に新たに活用できるようになる。
 日立は、これまで国立精神・神経医療研究センターや東京大学をはじめとする多数の医療機関や研究機関にクラウドを活用した患者レジストリを構築しており、個人情報収集を担う医師や医薬品開発受託機関*4 の業務から患者レジストリの事務局運営までを考慮したシステムを提供してきた。
 「患者レジストリサービス」は、従来、個別に開発していた個人情報管理機能やCRF*5マスター管理機能など患者情報の収集や患者レジストリ運営に必要な機能を標準で提供する。標準作業手順や計画に基づいたマスター設定を行うだけで、システムを早期に利用できます。最大限の配慮が求められる患者の個人情報管理については、ヘルスケア、金融や公共など多くの分野で実績のある日立の秘匿情報管理サービス「匿名バンク」を用いることで、クラウド上で高いセキュリティレベルを確保し、インターネットを活用した複数拠点での連携を実現する。また今後、臨床試験データを電子形式で提出、または保存する際の留意事項であるER/ES指針に対応することで、データの信頼性を確保し、蓄積された情報を製造販売後の安全性評価等に活用できる。
 日立は、今後も政府が推進する「情報銀行」の実現に向けた取り組みを進める中で、個人データの適切な管理と活用を実現する「匿名バンク」を基盤とした「患者レジストリサービス」により、医薬品・医療機器開発の早期化を支援し、医療の発展に貢献する。
 「患者レジストリサービス」の特徴は下記のとおりである。

1. 効率的なレジストリ運営を支援するさまざまな機能を標準で提供
 レジストリ運営には、患者情報を安全に収集する基盤だけでなく、経過観察のため、定期的な患者フォローアップも必要となる。「患者レジストリサービス」は、個人情報管理機能により、氏名・連絡先等の患者情報とフォローアップで収集した情報を集約し、管理を効率化する。また、臨床研究・治験で収集する項目を柔軟に設定できるCRFマスター管理機能を搭載し、新規に必要になった項目を運営者自身で追加することができる。さらに、クエリ機能により、入力された内容に疑問が生じたときにはデータ入力者へ通知できるようにし、データの精度を維持する。レジストリの運営に必要な機能を提供することにより、効率的な運営を支援する。
2. クラウドを利用した高いセキュリティを実現する「匿名バンク」
 日立の秘匿情報管理サービス「匿名バンク」を活用し、高いセキュリティを確保する。氏名・住所・生年月日などの個人識別情報は、一定の法則によらない確率暗号方式による日立独自の検索 可能暗号化技術*6 により安全に管理し、疾患登録情報等は匿名化された状態で同意情報と関連して管理される。暗号化および復号(暗号化を解く)の鍵は、データセンター側では保有せず、医師などの限られた人のみが持つこととなり、各種ガイドラインに求められる安全管理措置をクラウド上で実現することができる。個人情報をクラウド側で安全に管理することができるため、医療機関ごとに個別のシステムを構築する必要がなく、システムの開発、改修や運用コストの低減が図れる。
3. ER/ES 指針へ対応し、データの信頼性を確保
 医薬品・医療機器開発や製造販売後調査等における臨床試験データを電子形式で収集するEDCシステム*7 などに求められるER/ES指針に対応しており、データの信頼性を担保し、医薬品や医療機器の製造販売後の安全性評価等に活用できる。
なお、本サービスは、日立が2017年11月1日(水)~2日(木)に、東京国際フォーラムで開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYO」において紹介する。

*1 ER/ES 指針:「医薬品の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」(平成17年4月1日付け薬食発第0401022号厚生労働省医薬食品局長通知)。医薬品、化粧品及び医療機器の承認または許可等並びに適合性認証機関の登録等に係る申請、届出または報告に関する資料について、電磁的記録により資料及び原資料を提出又は保存する場合の留意事項を定めたもの。
*2 クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN: Clinical Innovation Network):疾患登録情報(患者レジストリ)を用いて、医薬品の開発のために効率的な治験ができる環境を整備しようという2015年に厚生労働省が提案した構想。
*3 医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令等の一部を改正する省令:2018 年に施行が予定されている厚生労働省令で定める以下の省令の改正。
医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第171号) 医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成17年厚生労働省令第38号) 再生医療等製品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成26年厚生労働省令第90号)
*4 医薬品開発受託機関(CRO:Contract Research Organization):医薬品開発段階での臨床試験(治験)、医薬品の市販後臨床試験などに関わる業務の一部を代行、支援する企業。
*5 CRF(Case Report Form:症例報告書):臨床試験において、治験に参加している患者の疾患、治療内容、治療経過などを記載しているデータ。ここでは、臨床試験に限らず、臨床研究目的として収集されるデータ。
*6 検索可能暗号化技術:暗号化されたままでの高速データ検索に加え、検索キーワードと格納データ両方をランダム化して暗号化することによる高い安全性を両立していることを特長とする機密性の高い業務システム等に有効な日立製作所の特許技術。
*7 EDC(Electronic Data Capture)システム:治験責任医師、治験分担医師、治験スタッフなどが臨床データ、CRFの内容などを入力し、ネットワークを経由して、遠隔で臨床試験の症例データを直接入力、修正できる仕組み。

■秘匿情報管理サービス「匿名バンク」について
匿名バンクは、個人情報を取り扱う企業や組織に対し、匿名化や秘匿化により、クラウド上で個人情報をさまざまなサービスに活用できるようにする。個人を特定する情報と、機微な情報を容易に紐づかない形で管理し、機微な情報の漏えいリスクを大幅に低減し、各種ガイドラインへ対応できるようにする。

■匿名バンクサービスに関するWebサイト
http://www.hitachi.co.jp/tokumeibank/
■日立のヘルスケアITソリューションに関するWebサイト
http://www.hitachi.co.jp/products/healthcare/products-support/mit/index.html

●お問い合わせ
株式会社日立製作所
URL: http://www.hitachi.co.jp/
お問い合わせフォーム: http://www.hitachi.co.jp/products/healthcare/contact_us/index.html

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