富士フイルム、デジタルX線画像からダイレクトに骨塩量を計測するクリニック向けサービス、デジタル骨塩定量測定サービス「+DIP(プラスディーアイピー)」提供開始

2011.07.13
富士フイルム(株)(社長:古森 重隆)は、デジタルX線画像からダイレクトに骨塩量を計測するデジタル骨塩定量測定サービス「+DIP(プラスディーアイピー)」を、富士フイルムメディカル(株)(社長:平井 治郎)を通じて、平成23年7月16日より提供開始する。デジタル骨塩定量測定サービス「+DIP」は、骨粗鬆症などの検査に用いられる骨塩定量測定において、その場で、瞬時に結果を出すことができるクリニック向けのサービスである。富士フイルムは、本サービスを提供することで、年々増加する骨粗鬆症の早期発見に貢献していく。
骨粗鬆症患者は、国内では高齢の女性を中心に年々増加しており、自覚症状のない人を含めると、現在約1100万人にのぼると推定されている。骨粗鬆症は骨量が減り、骨組織の微細構造が崩れることにより、骨がもろくなり、骨折しやすくなる疾患である。初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いものの、ひどくなると骨折に繋がり、高齢者の寝たきりの原因となる場合もある。そのため、早期に発見し、治療することが重要とされている。
骨粗鬆症の検査方法はX線や超音波を利用した骨塩定量測定が一般的である。クリニックで最も普及しているのは、X線撮影によって手の骨塩量を計測するDIP法(*1)である。これまでDIP法は撮影した画像データをX線フィルムに出力して、計測は外部に委託しなければならなかったため、検査結果を得るために手間と時間を要していた。
今回提供するデジタル骨塩定量測定サービス「+DIP」は、デジタルX線画像診断装置FCR(*2)で生成した画像データからダイレクトに骨塩量を計測できるようにしたものである。FCRで生成した高精細なデジタル診断画像をフィルムに出力せずに、富士フイルムのクリニック向け医用画像診断ワークステーション「C@RNACORE(カルナコア)」(*3)上で処理することにより、ダイレクトに骨塩量を計測して、誤差の少ない検査結果を得ることが期待できる。自施設内で瞬時に検査結果の確認ができ、診療業務の効率化を実現する。また、患者に即時に結果を知らせることが可能となり、クリニックのサービス向上にもつながる。
また、「+DIP」は、医用画像診断ワークステーション「カルナコア」上で、医療施設向けクラウドサービス「ASSISTA Portal(アシスタ ポータル)」(*4)の従量課金システムを使用するため、システム導入などの初期投資を抑えることができる。さらに、安心して利用できるよう、「アシスタ ポータル」で定期的に測定精度を監視する仕組みを提供(*5)していく。 

*1 Digital Image Processingの略。左手とアルミスロープを同時にX線撮影し、人差し指の第2中手骨の皮質骨における陰影度とアルミスロープの陰影度を比較して骨塩量を算出する測定方法。MD法(Microdensitometry)と呼ばれる骨塩定量法の一種。
*2 Fuji Computed Radiographyの略。イメージングプレート(IP)に記録したX線画像情報を読み取り、診断目的に合わせて最適なデジタル画像処理を行うことで、高精度の診断画像を生成する、医療用デジタルX線画像診断装置。
*3 富士フイルムの提供する、クリニック向け医用画像診断ワークステーション(薬事販売名:富士画像診断ワークステーション CC-WS 674型 薬事認証番号:22200BZX00909000)。
*4 このサービスの利用には、クラウドサービスASSISTA Portalの契約が必要である。ASSISTA Portalは、セキュリティを確保した回線で接続された、富士フイルムの医療クラウドサービスである。リモートメンテナンスや病診連携、医療ニュース配信など、医療経営や診療業務の効率化に貢献する各種コンテンツを提供している。
*5 平成23年中の導入を予定。

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富士フイルムメディカル(株)
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