GEヘルスケア・ジャパン、迅速なDNA 鑑定を可能にする全自動鑑定装置「DNAscanTM」を発売~国内初の全自動Rapid DNAシステムで90 分以内の鑑定が可能に。犯罪捜査および災害時の身元判定の迅速化を支援~

2015.09.28
DNAscan™ 6c Rapid DNA Analysis™ System
DNAscan BioChipSet™カセット
 医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GE ヘルスケア・ジャパン(株)(以下、GEヘルスケア社)は、DNA 鑑定の時間を大幅に短縮する全自動DNA 鑑定装置「DNAscan™ 6c Rapid DNA AnalysisTM System (通称DNAscan™(ディーエヌエイ・スキャン))」の国内販売を9 月28 日(月)より開始する。
 DNA鑑定は、犯罪捜査の個人識別において非常に有力な情報として活用されるようになった。しかし、現状のDNA 鑑定には、サンプル処理からDNA 配列の同定・照合までに複雑な工程があり、かつ数種類の検査機器や分析装置が必要とされている。加えて、DNA を利用した鑑定・照合などの科学捜査は、主に警視庁および道府県警察本部の刑事部に設置される研究機関である、科学捜査研究所(科捜研)や、警察庁に所属し資格を持つ一部の研究員しか行えず、DNA 鑑定に要する時間は通常2日間、鑑定依頼が多い場合には、1週間から1ヶ月以上かかってしまうこともある。
 
DNAscan により複雑な鑑定工程が、全自動化・90分以内で終了
 このたび発売される「DNAscan」は、国内初のRapid DNAシステムです。Rapid DNAシステムでは、鑑定に必要な全ての操作が全自動化されており、5サンプルの口腔内細胞採取からDNA型検出までの鑑定時間を90分以内と大幅に短縮しながらも、従来の方法と同等の結果を得ることができる。検出する座位*1の数が違う従来モデルはすでに、複数の米国州警察やドバイ警察等で導入されている。
 本装置の導入により、科捜研の研究者は日常業務と並行して、緊急性があり分析する必要のある鑑定も行うことができるようになり、さらにはより難しいサンプルの鑑定に時間を割くことができるようにもなる。
 DNAscanの鑑定スピードおよび最適な人的リソースの活用によって、現状の施設全体の鑑定能力向上に寄与する。
 警察庁の附属機関である科学警察研究所では、2015年度中にDNAscanを使った口腔内細胞サンプルでの利用実現性の評価を終了し、2016年度からは現場サンプルでの試験へと拡大される予定だ。科学警察研究所での評価が良好であれば、日本の科捜研での幅広い利用が可能になる。
 DNAscanは装置の操作に特殊なトレーニングが必要なく、導入の手順も単純なことから、将来的には欧米が目指しているように、警察署など現場に近いところで鑑識員等が使うことも想定される。行動確認や拘束の段階で容疑者候補に含めるか否かのヒントがDNAscanの鑑定結果から得られるため、犯罪捜査における大きなメリットが期待される。
 小型化により、自然災害現場等での捜査支援への活用が期待DNAscan は、“災害大国”と呼ばれている日本の災害現場での活用も期待される。複数の種類の装置が必要であった従来の鑑定方法とは異なり一台で鑑定ができることに加え、持ち運びが可能な重量、消耗品である装置カセットの常温保存が可能、家庭用電源で装置本体が作動、などの特徴から、災害現場を含む捜査の現場において高精度で迅速な身元判定が可能になる。
 GE ヘルスケア・ジャパンは、DNAscanなどのライフサイエンス技術の活用により、さらに効率的な捜査手段を提供し、より安全な社会を実現することを目指す。
 
*1 座位:染色体やゲノム上における遺伝子の位置。
 
■お問い合わせ
GE ヘルスケア・ジャパン(株) コミュニケーション本部 ブランチャード/松井
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