フィリップス、FPD 搭載モバイルC アームシステム「Veradius Unity」発売

2014.12.25

― タッチディスプレイによる簡便な操作性で手術室のイメージングをより効率的に―

 (株)フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、12 月25 日より、新型FPD(フラットパネルディテクタ)搭載モバイルC アームシステム「Veradius Unity(ベラディウス ユニティ)」の販売を開始することを発表した。

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Veradius Unity(ベラディウス ユニティ)

 「Veradius Unity」は2010 年5 月に販売を開始した「Veradius シリーズ」にフィードバックを施した第3 世代のFPD 搭載機種で、今回、手術室での使用に際し、既存のシステムで抱えていた3 点の問題点を改良した。
 モバイルC アームシステムでありながら大視野を有する「Veradius Unity」は、ステントグラフトを用いた腹部大動脈瘤の治療や脳神経外科分野の血管内治療にも威力を発揮する。
 そのため、最近脚光を浴びているハイブリッド手術室(Hybrid OR)に導入するX線診断装置の強力な候補になる。
 (株)フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、1955 年から世界に向けてイメージ・インテンシファイアを搭載したモバイルCアームシステムの発売を開始し、世界のモバイルC アームの市場に25,000 台以上を販売してきた実績を有している。
 一方、長いX線装置開発の歴史の中で、(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、1980 年代よりX線の新しいデジタル化に注目し、アモルファス半導体技術を採用したフラットパネルディテクタの研究にいち早く着手した。その結果、国内では2002 年よりFPD 搭載血管撮影装置の販売を開始し、現在では、ハイエンドの装置として大規模病院などに高い実績を維持している。「Veradius Unity」には、このFPD 搭載血管撮影装置の貴重なノウハウが凝縮されている。
 「Veradius Unity」の希望販売価格は、1 億6 千万円で(税込、仕様により異なる)、国内初年度の販売目標台数は約20 台を見込んでいる。

<既存のVeradius シリーズからの改良点>
1. ClearGuide による先進の操作性
 手術室におけるモバイルC アームに対する改善要求で、一番にあげられるのはワークフローの改善である。今回ClearGuide テクノロジーにより迅速に、より正確なポジショニングのための新機能を追加した。ポジションメモリ機能は術中のキーのC アームのポジションを記憶し、それらを再現する際に威力を発揮する。操作モニタ上に色分けされたそれぞれのC アーム稼働部位に調整するだけで容易に目的のC アームポジションが再現できる。
 また、術中に微調整したい場合もフラットパネルに記された12 時、3 時、6 時、9 時の情報がそのままモニタ画像上にリンクして表示され、術者とC アーム操作者との間のコミュニケーションを円滑にする。

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C アームの現在の位置の目標ポジションの比較が容易に可能

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フラットディテクタ上の位置情報と画面上のリファレンス番号がリンクしているので術者の意図する方向が正確に伝達される

2. Smart Exam Selection:効率的な部位別撮影条件設定
 全身の様々な部位に対する手技はそれぞれ最適な撮影条件設定がある。従来はこれらを目的部位ごとに手技名で記憶させ呼び出していたが、「Veradius Unity」では目的部位の解剖学的な領域をモニタ画面上から選択するだけで簡単にセッティングが完了する。
 それぞれのパラメータは必要最低限の被ばく線量でコントロールされ、目的にあった高画質が再現されるので、操作者の技量によらず常に安定した画質と被ばくコントロールのもとで手技を行うことができる。

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手技のタイプと解剖学的な領域をタッチ選択すると必要最低限の適正な被ばく線量にコントロールされる

3. タッチスクリーンモジュール搭載:指先タッチによる新感覚操作
 新たなインターフェイスとしてタッチモジュールを装置本体に搭載した。X線透視画像の表示はもちろん、各種操作をタッチ操作で簡単に行える。従来、機能別に配置された各種操作が「VeradiusUnity」では臨床画像上を直接タッチしながら操作可能。新たなデザインにより操作性も向上する。

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X線照射範囲の設定やマスキングなどを臨床画像を見ながらタッチ操作でダイレクトに操作が可能

●お問い合わせ
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン
TEL:0120-556-494
URL:http://www.philips.co.jp/