日立と日本イーライリリー、放射性医薬品合成設備「NEPTIS plug-01」の国内販売基本契約を締結

2014.09.08
「NEPTIS plug-01」
認知機能低下に関係するアミロイドβプラークを可視化する放射性医薬品の合成設備として日本で初めて医療機器製造販売承認を取得、販売を開始

 (株)日立製作所(以下、日立)と日本イーライリリー(株)(以下、日本イーライリリー)は、日本国内における放射性医薬品合成設備「NEPTIS plug-01」*1の販売基本契約を締結した。同設備は、アルツハイマー型認知症に関係する脳内アミロイドβプラークをPET 検査にて可視化できる「florbetapir(18F)注射液」を医療機関にて合成するために用いられるもので、2014 年7月3日、日本イーライリリーが医療機器製造販売承認を取得した。今回の基本契約に基づき、日立は9月9日より販売を開始するとともに、導入エンジニアリングから運用サポートまで、幅広いサービスを提案していく。
 アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も発症頻度が高いと報告されているが*2、その原因の一つとして、アミロイドβというたんぱく質の脳内への異常な蓄積が考えられている。これまで、脳内のアミロイドβプラークを可視化するための薬剤や、その薬剤を合成する装置は、日本国内において承認・販売されていなかった。今回、日本イーライリリーによる「NEPTIS plug-01」の医療機器製造販売承認の取得と、日立の販売開始により、日本においても脳内のアミロイドβプラークを可視化することが可能となる。
 日立は、これまでもPET 支援サービスソリューションを通じて、PET 用放射性薬剤の合成環境構築や合成支援を行ってきた。特に高度な技術が必要とされる治験・研究用の新しい薬剤合成に関しては、日立が構築した製造環境で医療機関とともに高い成功率を実現。一方、日本イーライリリーを含むイーライリリー・アンド・カンパニーは、25 年にわたりアルツハイマー型認知症をはじめとする認知症領域における研究開発を継続しており、認知症の診断から治療まで、幅広いパイプラインを有している。今回、日立と日本イーライリリーが「NEPTIS plug-01」の国内販売基本契約を締結したことにより、両社は相互補完的な関係で設備の拡販やそれに付随するサービスの提供を行う。また、高齢化と共に増加を続けるアルツハイマー型認知症の適切な診断へ貢献を目指す。
 なお、医療機関における「NEPTIS plug-01」の運用開始までには、同設備の導入決定後、規模や運用などに応じて相応の準備期間が必要となる。

* 1: NEPTISは、Optimized Radiochemical Applications SPRL (ORA)社の商標。
* 2:「認知症疾患治療ガイドライン2010」 (一般社団法人 日本神経学会)

●お問い合わせ
(株)日立製作所
ヘルスケア社営業統括本部
ソリューション営業部 [担当:百川]
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