エレクタ、最新リニアックVersa HD™の製造販売承認を厚生労働省から取得

2014.09.01
Versa HD™
 エレクタ(株)は、同社の最新の放射線治療システムであるVersa HD™の製造販売承認を、ヨーロッパおよびアメリカに続き日本でも取得し、より充実した製品ラインナップを国内の医療機関に提供できるようになった。
 同製品はエレクタリニアックの最高機種であり、高い安全性のもと、1台で全身の様々ながんを治療できるよう設計された高精度放射線治療システム。幅広い適応症に対応する各種放射線治療はもちろん、非常に正確な放射線照射が求められる複雑ながんの治療も可能。
 同社の代表取締役である檜垣修一氏は、次のように述べている。「国内におけるがん罹患者数および死亡者数の深刻な増加に取り組む上で、Versa HD™の薬事承認取得は重要な一歩であると言えます。高精度なビーム成形とターゲティング技術、および当社従来品の3倍の照射スピードといった数々の優れた機能により、Versa HD™は、日本のがん患者にとってより望ましい転帰の可能性を提供します」

参考資料
Versa HD™のおもな特長

1. 高線量率での放射線治療が行えるFFF(フラットニングフィルタフリー)技術を搭載している。
これによって、
a) 呼吸や消化活動による動きのある部位において、動きによって生じるエラーを削減し線量の集中性を高めることができる。
b) 一般的には時間のかかる強度変調照射であっても、搭載されている高性能MLC(マルチリーフコリメータ)であるAgility™の低い漏えい率と高速なリーフ移動の働きで、短時間で高品質な線量投与が行える。

2. VMAT(強度変調回転放射線治療)照射中にコーンビームCT 画像を同時に収集する機能を備えている。治療計画通りに照射が行えているかを確認でき、高い安全性を提供。

3. 非接触での自動患者認識機能を有しており、照射準備中の患者が自動的に選択されるとともに、必要な固定具などの照射条件が表示される。治療体位の再現性が高まり、ヒューマンエラーの低減が期待できる。

4. 従来の X 線によるIGRT(画像ガイド下放射線治療)機能に加えて、軟部組織の描出能に優れた超音波画像ガイド下でのIGRT 機能を搭載。X 線コントラストが低い乳房や前立腺領域などの高精度放射線治療において効果を発揮する。

5. 照合記録に加えて実用的な治療RIS 機能を有しており、下記のような情報やプロセスを管理できる。
a) 患者登録、治療スケジュール
b) 疾病分類、悪性腫瘍の病期分類、放射線治療経過評価などの診断情報
c) 放射線治療部門の業務進捗
d) 放射線治療照射記録をはじめとする各種レポート出力

6. エレクタの統合的治療計画システムMonaco™ 5 を構成に含んでいる。
Monaco™ 5 は、
a) 同社開発の治療計画システムであるため、高分解能・低漏えいの高性能MLC であるAgility™を忠実にモデリングできる。
b) 生物学的な反応を考慮した線量制限を臓器別に設定することができるため、トライ・アンド・エラーの削減が期待できる。
c) 線量分布最適化においては、複数の要素を組み合わせて線量制限を設定できる。
d) ペンシルビーム、コラップスドコーン、モンテカルロという、優れた計算エンジンを搭載している。
e) 線量計算にはGPU が活用できるので、線量分布計算が短時間で完了できる。

●お問い合わせ
エレクタ(株)
オンコロジー事業部 岡田
TEL: 03-6722-3808
URLl: http://www.elekta.co.jp/