日本メドトロニック、日本初、全身MRI検査を可能にする条件付きMRI対応神経刺激システム「SureScan® MRI」を発売 ~神経の痛みを抱えるより多くの患者に脊髄刺激療法を提供可能に~

2014.01.24
リストアセンサーSureScan® MR
プライムアドバンスト SureScan® MRI
ベクトリスSureScan® MRI 1×8
日本メドトロニック(株)は、日本で初めて、一定条件下での全身MRI(磁気共鳴画像法)検査を可能にする、神経刺激システム「リストアセンサーSureScan® MRI(シュアスキャン エムアールアイ)」「プライムアドバンスト SureScan® MRI」「ベクトリスSureScan® MRI 1×8(ワンバイエイト)」の販売を2014年1月6日より開始した。これにより、脊髄刺激療法を受ける患者にも、従来「禁忌」であった全身MRI検査の機会を一定条件下において提供できるようになった。

⋆従来製品は、全身MRI検査は併用禁忌となり、頭部のみある限られた条件の下で  MRI検査が可能。

脊髄刺激療法(SCS:Spinal Cord Stimulation)は、慢性疼痛治療の一つで、日本では1992年に保険適用を受けている。脊髄の硬膜外腔にリードを留置し、体内に植込まれた刺激装置から脊髄に微弱な電気刺激を送り、痛みのある場所に刺激感を発生させることで痛みを緩和する。日本人の約2,300万人が何らかの慢性的な痛みを訴え、うち約7割がこれまでの治療で痛みが満足に緩和されていない¹⁾とされている。脊髄刺激療法は、難治性慢性疼痛のうち特に、腰の手術後に残る足の痛みや血流障害で生じる痛みなどの神経障害性疼痛(神経の痛み)に効果が高いと報告されている²⁾

一方、これまで神経刺激装置を植込まれた患者の全身MRI検査は禁忌だった。しかしながら、主に痛みを診療する整形外科領域においては、MRI検査が診断に不可欠であり、普及が進まない原因の一つとなっていた。実際、MRI検査が禁忌である点を、65%の医師が脊髄刺激療法の障壁としている調査結果もある³⁾。今回、一定の条件下で全身MRI検査を受けることを可能にした同システムの日本初導入により、神経の痛みを抱えるより多くの患者が脊髄刺激療法を選択可能になることが期待される。

松本守雄氏(慶応義塾大学医学部整形外科教室准教授)は「脊髄刺激療法は慢性疼痛の有用な治療法の一つですが、MRI禁忌がこの治療を選択するうえでのネックになっていました。条件付きで全身MRI検査が可能な製品が登場したことにより、今後この治療法は様々な治療が奏効しない慢性の痛みをもつ患者さんの重要な治療の選択肢となるでしょう」と述べている。

MRI装置は生体内部の画像化に磁場を使用するため、神経刺激システムを植込まれた患者は主に二つのリスクにさらされていた。一つは、リードの発熱による周辺部位の不可逆的な神経損傷リスクで、これはさらに恒久的な脊髄損傷を引き起こす可能性があると指摘されている。もう一つのリスクとして神経刺激装置の損傷も懸念されてきた。同製品は、同社が開発した条件付きMRI対応テクノロジー「SureScan」を採用し、リードの改良や神経刺激装置における磁性体使用料を最大限に抑えることにより、これらのリスクの低減を実現した。同社は、MRI検査実施時の安全性を確保するための試験方法に従い、臨床上想定される1万通りの撮像条件で延べ1億回のシュミレーションを実施して安全性を確認した。
なお、同製品を植込まれた患者へのMRI検査実施について、添付文書にMRI検査における条件が以下のとおり記載されている。
・放射線科を標榜していること。
・MRI全身撮像の条件で検査が行える装置を有すること。
・MRI専門技術者(日本磁気共鳴専門技術者)あるいはそれに準ずるものが常時配置さ れ、M装置の精度及び安全を管理していること。
・読影を行う医師とMRI検査を実施する医師及び技師は、同社が提供する研修を修了 していること。

同社は、安全にMRI検査が実施されるよう、植込みを行う医師及びMRI撮像を行う医師または技師へオンライントレーニング(http://www.mri-surescan.com)を提供し、受講の働きかけを行っている。

【主な製品特長】
○リード
・リード全体にタンタル製のメッシュを用いたシールドを覆うことによって、磁場が発するエネルギーによる温度上昇を抑制  し、電極周辺部の組織損傷リスクを低減している。

○神経刺激装置
・磁性体使用料の最小限化
 神経刺激装置内に使用する磁性体の量を最小限に抑えることで、磁場による影響を可能な限り排除し、刺激装置の破損や移動 のリスクを低減している。
・フィルターフィードスルー
 電子回路内に流入しようとする誘導電流を刺激装置表面に迂回させ、回路内への流入を防止し、電子回路の破損のリスクを低 減している。

○ソフトウェア
・MRI検査時にMRI対応システムを使用している患者であることを確認することは安全性の観点から重要だ。患者が使用する患 者用プログラマでMRI検査の適合性を判断できるようにしている。

【MRI(磁気共鳴画像法)とは】
MRI検査では、人体の軟部組織の撮像において、超音波、X線やCT(コンピュータ断層撮影)検査などではとらえることのできない情報を得ることができる。さらに、放射線被曝がなく、患者の体への負担が少ない検査方法で、疾患の早期検知、診断および治療のための標準的手段として非常に重要な役割を果たしている。

主に痛みを診療する整形外科領域において、本邦では、MRI検査数はCT検査数の約3倍⁴⁾の頻度で使用されている。また、脊髄刺激療法の適応患者の約70%は少なくとも1回のMRI検査を必要としており⁵⁾、全身MRI撮像が必要な植込み患者の39%が他の侵襲性の高い検査方法を選択せざるをえない⁶⁾といわれている。

1)矢吹省司ほか:日本における慢性疼痛保有者の実態調査-Pain in Japan 2010より.臨床整形外科 2(47):127-134,2012
2)The British Pain Society; Spinal cord stimulation for the management of pain: recommendations for best  clinical practice. The British Pain Society, London, 2009.
3)日本メドトロニック調べ 2005
4)2010年6月 日本医学放射線学会 画像診断(CT,MRI)実態調査研究報告書
5)機器の平均寿命(5年間)において。Data compiled from Truven Health Analytics, Inc., MarketScan® Commercial  Claims and Encounters Database, 2010.
6)Medtronic international implanted survey

●お問い合わせ
日本メドトロニック(株)
URL:http://www.medtronic.co.jp/

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