FAシステムエンジニアリング、NHKメディアテクノロジーと共同で「ダヴィンチ」の撮影映像を外部の裸眼3DモニタにリアルタイムでLive表示することに世界初の成功

2011.04.27

FAシステムエンジニアリング(株)式会社および(株)NHKメディアテクノロジーは、帝京大学医学部附属病院泌尿器科(堀江重郎教授)と同医療情報システム研究センター(杉本真樹客員教授ほか)による、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を中心とした統合インテリジェント手術室”Teikyo Robotics Innovation Center”構想に向け、共同研究を実施している。

写真1 裸眼3Dモニタ表示(左)によるdaVinci手術遠隔リアルタイム中継
写真2 生体質感造形(Bio-Texture Modeling)による立体臓器模型手術シミュレーション
写真3 daVinci3分割モニタ 上段:daVinci手術映像、下段左:OsiriX3D画像解析、下段右:遠隔双方向通信
2011年4月6日、手術支援ロボット「ダヴィンチ」による3D手術映像を、リアルタイムに外部の裸眼3Dモニタへライブ中継するという世界初の快挙を達成した(写真1)。

「ダヴィンチ」は、3本のロボットアームと内視鏡(腹腔鏡)を遠隔操作する手術ロボットで、術者は2つのCCDから得た3D内視鏡の映像を見て手術操作をする。ところが従来の術者以外の助手・介助者が参照する画像は通常2D映像で、奥行情報がなかった。近年3Dメガネ方式(偏光式、シャッター式)により助手も3D映像をみることができるが、手術中のメガネの脱着は非常に煩雑である。今回実現したリアルタイム裸眼3D中継(メガネ無し)は、術者と同じ適切な奥行情報を3D映像により手術助手に与え、スムーズで安全かつ繊細な手術操作を実現した。

さらにロボット手術シュミレーションおよびトレーニングとして、生体質感造形(Bio-Texture Modeling)技術(特許出願済)による立体臓器樹脂模型を用いたことで、3D内視鏡による高解像度立体映像が臓器の質感(硬さや柔らかさ)を再現でき、「ダヴィンチ」の欠点である触覚の欠如を補完できることを実証した。これも世界初の試みであった(写真2)。

さらに「ダヴィンチ」の3Dモニタ画面を3分配し、画像解析ソフトOsiriX にて術者がタッチパッド操作にてCT画像を3D再構築する手術ナビゲーションと、遠隔双方向通信(Tele-mentoring)によるコンサルテーションを同時に提示することに成功した。これにより遠隔地との3D映像を基調とした双方向コミュニケーションの可能性が見えてきた(写真3)。

 

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