東陽テクニカ、全自動3次元X線マイクロCTスキャナを販売

2013.05.15

(株)東陽テクニカ(本社:東京都中央区、社長:五味 勝)は、ベルギー Bruker microCT社のSkyScan1272型3次元X線マイクロCTスキャナを発売する。
SkyScan1272は、サンプル交換からスキャン条件の最適化、データ収集までを全て自動で行う、世界初の全自動3次元マイクロCTスキャナである。CT像を構築する処理速度も同社従来品に比べ50倍以上に高められ、これまでにないスピードでデータを取得することができるようになった。これにより、主にマイクロCTが利用されてきた研究開発や不良解析だけでなく、品質管理にも利用することが可能である。
SkyScan1272は、画像品質も格段に向上している。最高空間分解能は従来の8倍※1の、350nm/ボクセル※2を達成した。加えて、2億画素以上というスキャン能力を有しており、センチメートルオーダの広い範囲においても分解能を損なうことなく観察・数値解析が可能である。これにより、繊維強化樹脂などの繊維配向性や骨内血管、骨細胞の態計測など、これまで局所的にしか計測・解析できなかった分野でも、例えばサンプル全体などより広い範囲での計測・解析が可能となっている。

:SkyScan1272マイクロCTスキャナ本体

全自動化を実現するキーテクノロジー
全自動化を実現したキーテクノロジーは、①スキャンパラメータの自動調整機能と②自動サンプル交換システム、③再構成ソフトウェアの高速化の3つである。
スキャンパラメータの自動調整機能では、スキャン条件(倍率と照射X線のエネルギーなど)を自動で調節・最適化が可能となった。このためスキャナを操作する専属のオペレータが不要。また、一度に16個のサンプルをセット出来る自動サンプル交換システムは、本体の外側に取り付けられているので、測定中でも自由にサンプルの追加・交換ができる。そのため、自動で16個のサンプルが測定できるだけでなく、測定の終わったサンプルを即座に別の測定装置へ移したり、測定優先度の高いサンプルを先にスキャンしたりするなど、使用現場で想定されるニーズに柔軟に対応することができる。

SkyScan1272 自動サンプル交換システム

立体的な3次元画像を再構成するソフトウェアは、同社従来品に比べ約50倍の高速化を実現した。これにより、自動的にスキャンした多数のサンプルデータも、より素早く再構成した結果を確認することが可能となった。SkyScan1272は以上のキーテクノロジーにより、3次元マイクロCTスキャナとしてのスループットが大幅に改善され、これまでは利用されていなかった品質管理などの分野においても利用できる装置となった。

高分解能・広視野のキーテクノロジー
高分解能・広視野を向上させたキーテクノロジーは、①倍率変更時にカメラ位置とサンプル位置も独立に調節する機構(アダプティブジオメトリ機構)と、②X線カメラをスライドさせながら撮影するパノラマスキャン機構だ。アダプティブジオメトリ機構では、X線位相コントラスト法による画像鮮鋭化が行えるため、単なる倍率向上だけでは達成できない350nmの高分解能データを取得可能。また、パノラマスキャン機構では、従来比の550倍※3もの広視野となる、2億画素以上のCT画像を2630スライス、1スキャンで取得可能となった。高分解能と広視野を両立したことで例えば、生体組織全体について内部にある10μm以下の構造を解析することや、樹脂成型品の見た目や強度に関わる内部の直径10μm程度の微小な金属や繊維すべての分布・方位の解析など、微細構造が組織/製品全体の機能とどう結びついているのかを直接解析することができるようになった。

マウス大腿骨内部構造の3次元CT像

数値解析ソフトウェア
精度の高い数値解析を行うためには、CTスキャナというハードウェアだけでなく解析を行うためのソフトウェアも重要である。SkyScan1272には、マイクロCT画像から3次元数値解析を行うための専用のソフトウェアCT-Analyzerが搭載されている。CT-AnalyzerはこれまでのBruker microCT社が10年間にわたり自社で開発してきた数値解析ソフトウェアで、論文や特許などに使用されるデータでも多数の使用実績があるなど非常に信頼度の高いソフトウェアだ。このソフトウェアのみで、体積や表面積などの基本的な測定から、分散状態、厚みの分布や方位など高度な数値解析まで行うことが可能である。また、スキャナ本体から数値解析ソフトウェアまで同じメーカで開発されているために操作方法に一貫性があり、ユーザを悩ませることがない。例えば、ユーザはスキャンから数値解析まで、統一された表現のアイコンをクリックしていくだけで、他のソフトウェアを起動する手間なしに結果を得ることができる。

価格:4800万円~(税抜き)
主な特徴 :
・スキャンパラメータの自動調整機能
・自動サンプル交換システム
・2億900万画素の大視野スキャン
・最高分解能 350nm
・自動切り替え式X線エネルギー選択フィルター(6枚)
・独自の数値解析ソフトウェアCT-Analyzer
・PC / iPad・iPhone での表示が可能な3次元表示ソフトウェア

※1:同社の従来機1172型マイクロCTと、最高分解能時のボクセルサイズで比較。
※2:1nm(ナノメートル)は10億分の1メートル。また、ボクセルとは画像データを立体的に表現する際の最小の立方体。立体のデータで定量測定を行うには、データが3次元方向に等しい
精度となるボクセルで表現されている必要がある。
※3:一般的なマイクロCT、100万画素のCT画像を1000スライススキャン可能なシステムとの比較

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