富士フイルム、「SYNAPSE」向けクラウド型データストレージシステムを新開発

2012.07.18

 富士フイルム(株)は、臨床現場から高い信頼と評価を得ている医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE(シナプス)」を展開。独自の画像処理技術を搭載した「SYNAPSE」は、国内で約1,700の医療機関に導入され、トップシェアの実績を誇る。今回「SYNAPSE」導入先に向け、災害時における医用画像データの安全・確実な医療機関外での保管環境を提供することを目的に、医療機関の診断画像をデータセンターで保管する、クラウド型データストレージシステムを開発した。

 同システムの開発は富士フイルムメディカルが行い、平成24年秋より、同システムを応用した医用画像データ保管サービス「SYNAPSE +STORAGE(シナプス プラスストレージ)」を同社が提供を開始する。

 2010年2月の厚生労働省の通知により、診療録に類する情報の医療機関外での保管が認められるようになった。一方で、受診患者の個人情報保護や情報の確実な保管を実現するためのシステム要件などの課題から、医療機関外での画像データ保管はなかなか進んでいないのが実状だ。また、医療機器の進歩により、病院などで発生する画像データ量は急激に増えており、それに伴うIT投資の増大、特に大規模なシステムの管理運営などが大きな経営課題となっている。さらに、災害による画像データの消失を防ぐために、医療機関外にて安全に画像データを保管しておくことの重要性も認識されてきている。

 今秋から展開する「SYNAPSE +STORAGE」は、「SYNAPSE」で管理する画像データを富士フイルムのデータセンターにバックアップするサービスだ。CTなどの各モダリティで撮影された画像データは、「SYNAPSE」に保管されるのと同時に、各種のガイドラインに準拠したデータセンターにも自動的に保管されいる。データセンターで管理する画像データは、異なる場所のデータセンターで二重管理され、万一の災害時に医療機関側の画像データが消失した場合でも、データセンター内にバックアップした画像データを利用して復旧することが可能だ。さらにニーズに応じて、本サービスを以下のように使用することも可能。

・「SYNAPSE」で管理する画像データのうち、利用頻度の高い直近の画像データのみを医療機関側のSYNAPSEサーバに保管し、利用頻度の低い過去の画像データをデータセンターに移して、効率的に管理することが可能。
・ 医療機関内の「SYNAPSE」サーバの保管容量を拡張する目的として、データセンターのストレージを利用することが可能。「SYNAPSE +STORAGE」の利用により、医療機関におけるサーバなどの運用管理にかかる費用の低減が見込め、経営効率改善への寄与が期待。

1 今秋開始予定の「SYNAPSE +STORAGE」の特長

(1)「SYNAPSE」で管理されている画像データを各種のガイドラインに準拠した富士フイルムデータセンターで保管。データセンターで管理する画像データは、異なる場所のデータセンターで二重管理される。万一の災害時に医療機関側の画像データが消失した場合でも、データセンター内にバックアップした画像データを利用して復旧することが可能だ。
(2)CTなどの各モダリティで撮影された画像データは「SYNAPSE」に保管されるのと同時に、自動的にデータセンターにも保管される。

(3)ニーズに応じて、以下のような利用方法を選択することが可能。

・院内に導入されている「SYNAPSE」サーバでは、利用頻度の高い直近の画像データを管理し、富士フイルムデータセンターには利用頻度の低い過去画像データを保管することで、効率的に画像を管理できる。 院内のSYNAPSEサーバの保管容量を拡張する目的として、データセンターのストレージを利用することができる。

(4)医療機関内に設置されるクラウド接続用ゲートウエイ内のキャッシュ機能を利用することで、データセンターに保管された画像データへ高速にアクセスすることができる。利用者は、医療機関内に導入されている「SYNAPSE」サーバで保管する画像データと、データセンターで保管する画像データの違いを意識することなく、スムーズにデータを参照することができる。

●お問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
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