ギブン・イメージング社、DDW で小腸用カプセル内視鏡PillCam SBに関する新しい重要なデータを発表

2012.05.30

~特定の患者集団におけるPillCam SB の使用に関するさまざまな研究;クイックビュー機能と赤色領域推定表示機能の併用、運動アルゴリズム、長時間撮像可能なカプセル内視鏡などを含め、重要な技術的進展の臨床的有用性を確認するデータを発表~

 ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は5月30日、PillCam SBの早期使用の推奨に関する新しいデータと新しい技術的進展の概要を発表した。また、同社は、他の診断手技に比べて侵襲性が最小で安全なPillCam SBの使用対象となり得る80歳代の患者や好中球減少症を伴うがん患者などの特定の患者集団において、その有用性を確認する新しい研究結果も発表した。これらの研究結果は、5月19日~22日までサンディエゴで開催されている米国消化器病週間(DDW)の米国消化器内視鏡学会(ASGE:American Society for Gastrointestinal Endoscopy)研究フォーラムで発表されている。

●PillCam SBの早期使用に関するデータ
・「原因不明の消化管出血診断後にカプセル内視鏡検査を早期に実施すると診断率が向上する」(216)
カリフォルニア州サクラメントのカリフォルニア大学デービス校内科のDhavan A. Parikh らは、原因不明の消化管出血(OGIB)患者に対してカプセル内視鏡検査を実施する最適なタイミングを調べるため、ひとりの読影者から集めた410件の連続するカプセル内視鏡検査の結果をレトロスペクティブに解析した。その結果、診断率を最大化するには、OGIBと診断されてから1週間以内にカプセル内視鏡検査を実施することが理想的であると結論した。また、診断の遅延を防ぐには、48時間以内にカプセル内視鏡検査を実施することが望ましいとしている。

・「原因不明の急性消化管出血患者に対する迅速なカプセル内視鏡検査と血管造影検査の比較:長期観察によるプロスペクティブな無作為化試験」(150)
香港の香港大学内科のDr.Wai Keung Leungらは、急性顕在性OGIB患者を対象にカプセル内視鏡検査と血管造影検査を比較するプロスペクティブな無作為化試験を実施して、両検査の診断率と患者の長期転帰を比較検討した。その結果、急性顕在性OGIB患者においては、血管造影検査よりもカプセル内視鏡検査の方が診断率が高かったと結論し、急性OGIB患者の第一選択検査として、カプセル内視鏡検査の早期実施を支持した。

●特別な患者集団に関するデータ
・「80歳代におけるカプセル内視鏡検査:大規模なプロスペクティブ収集データベースの解析」(Sa1742)
 フロリダ州ジャクソンビルのメイヨー・クリニック消化器・肝臓内科のDr. Victoria Gomez らは、80歳以上の188例を対象にしたPillCam SB 試験を実施し、鉄欠乏性貧血(IDA)や顕在性または潜在性原因不明の消化管出血(OGIB)を伴うことが多いこの特異的な患者集団における安全性と有効性を評価した。特に80歳を超える患者の転帰とカプセル内視鏡の所見の公表データが限られているなか、研究者らは、カプセル内視鏡検査はこの高齢患者集団において安全であり、カプセル内視鏡の滞留率は非常に低く、診断率は非常に高かったと結論している。

・「好中球減少症と原因不明の消化管出血を伴うがん患者におけるカプセル内視鏡検査の安全性と有効性:症例対照試験」(Sa1745)
 テキサス大学ヒューストン医学部消化器・肝臓内科・栄養学部のDr. Nirav Thosani は、2005年7月~2011年9月までにM.D.アンダーソンがんセンターでカプセル内視鏡検査を受けた426 例の好中球減少症と原因不明の消化管出血を伴うがん患者をレトロスペクティブに検討して、これらの患者におけるカプセル内視鏡検査の安全性と診断率を調査した。その結果、カプセル内視鏡検査は好中球減少症と原因不明の消化管出血を伴うがん患者において安全かつ有効であり、全体の診断率は72%であったと報告している。

●新しい技術的進展
・「活動性小腸出血に対するカプセル内視鏡検査の一次読影におけるクイックビュー機能と赤色領域推定表示機能の評価」(217)
 イリノイ州シカゴのシカゴ大学病院内科のDr. Anoop Appannagar らは、PillCamR SB のクイックビュー(QV)機能と赤色領域推定表示(SBI)機能の併用と標準のソフトウェアの画像表示とを比較して、これらの新しい機能の感度を評価した。研究者らは、2007年4 月から2011年3月までに小腸出血が疑われる患者に実施したすべてのカプセル内視鏡検査を調査した結果、活動性小腸出血患者の読影において、PillCam SBのQV+SBI 機能の感度は非常に高く、陰性的中率(NPV)は100%で、しかも短時間でこれを達成したと結論して
いる。さらに、QV+SBI機能は最低限のわずかな訓練を受けた経験の浅い読影者間においても優れた診断一致率を見たとしている。これらの研究結果は、小腸出血の疑い例にカプセル内視鏡と迅速なQV+SBI機能を活用するという臨床アルゴリズムを正当化する可能性がある。陽性所見は迅速な治療を導き、陰性所見はSV検査や他の追加検査の必要性を示唆することができる。

・「12 時間バッテリー供給のワイヤレス PillCamR SB2ex は盲腸到達率を改善し、診断率を向上させる」(153)
 Neel K. Mann らは、入院患者および外来患者を対象に12時間バッテリー供給のワイヤレス PillCam SB2exが盲腸到達率(8 時間バッテリー供給のワイヤレス PillCam SB2では現在平均80%)を改善できるかどうかを評価した単施設試験の結果を発表した。研究者らは、2010年11月~2011年11月までに12時間カプセル内視鏡検査を受けた計108例と8時間カプセル内視鏡検査を受けた計147例をレトロスペクティブに評価し、12時間バッテリー供給のカプセル内視鏡は、特に入院患者において盲腸到達率と盲腸通過時間を改善できると結論した。さらに研究者らは、臨床的に意義のある病変の診断率もより高かったと報告している。

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