日本アキュレイ、がん治療経験者618名を対象 「放射線治療に関する調査結果」を発表~放射線治療への低い認知度が明らかに~

2012.02.06

半数近くの45%が、放射線治療の有用性と自分のがんへの適応有無を“よく知らない”

 日本アキュレイ(株)(社長:穂積 重紀、本社:東京都千代田区)は、がん治療の経験者を対象に放射線治療の有用性と適応に関する意識調査を実施致した。その結果、自分の罹患したがんに対し、放射線治療の適応有無を「知らない」と回答した人が半数近くの45.4%に上った。 

※放射線治療には、従来型放射線治療、定位放射線外科手術(SRS)、体幹部定位放射線治療(SBRT)等を含む。放射線治療の適応が“ある/ない”について、それぞれ「知っている」/「知らない」で評価している。

●放射線治療に適応のあるがん患者においても、3人に1人が“知らない”と回答
 近年、国内において放射線治療が適用されるがんの部位は、主に頭蓋内・頭頸部・肝臓・腎臓・膵臓・肺・皮膚・乳房・子宮・前立腺などとその範囲が広がっている。調査では上記の放射線治療の適応があるがん患者のうち、自分の罹患したがんに対する放射線治療の適応有無を「知らない」と回答した割合は35.3%に及んだ。
 これは3人に1人の患者が、放射線治療を自分の治療の選択肢の1つとして認識していない可能性を示しており、日本の放射線治療が未だに低水準である一要因と考えられる。

●放射線治療経験者の満足度は高く、患者全般からの今後の治療への期待値も高い
 調査では、放射線治療を経験した患者の割合は全体の19.9%と、欧米の水準(米国約70%、英国約56%)と大きく乖離し、放射線治療を受ける人が少ない実態が改めて示された。一方、3大治療法の経験者に評価してもらった結果、「満足」/「どちらかといえば満足」と回答した割合は、外科治療89.9%・放射線治療83.7%・化学療法73.7%の順となった。また、今後の治療への期待においても、外科治療72.6%・放射線治療63.6%・化学療法57.4%と、放射線治療が外科治療に次ぐ高い満足度/期待値を持つことがわかった。

 国内において放射線治療の治療経験者は少ないものの満足度/期待値は高いことから、有用性と適応有無への理解が深まれば、より重要な治療の選択肢の1つとして放射線治療が普及することが期待できる。

 今回の調査を受け、埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター放射線腫瘍科客員教授の土器屋卓志医師は、「放射線治療について、治療方法自体の認知は進んでいるが、特徴、メリットなど具体的な内容まで理解が進んでいないということが分かります。今後、高齢の患者さんが増えるに伴い、侵襲の大きな手術や抗癌剤治療が難しい場合も増えてくる可能性があり、まずは適応有無や治療方法についての理解を進めることが必要です。QOL(生活の質)の高いがん治療のためにも、近年開発が進み利用が可能となっているIG-IMRT(画像誘導による強度変調放射線治療)やSBRT(体幹部定位放射線治療)等の高精度な放射線治療を浸透させ、患者さんの選択肢を広げることが大事になってくるでしょう」とコメントしている。

●調査概要
・調査時期:2011年08月29日(月) ~ 2011年08月30日(火)
・調査対象:全国のがん治療経験者 男女618名(男性:309名、女性309名)
※全国のがんへの罹患経験者を対象に募集、無作為に合計618名を抽出
・調査手法:インターネットリサーチ

●お問合わせ先
日本アキュレイ株式会社
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URL:http://www.accuray.com/