日本BD、「明日の医療」セミナーを開催~CVポート治療という選択肢~

2020.01.28

 日本BD㈱(以下、日本BD)は1月24日、鉄鋼カンファレンスルーム(東京都千代田区)にて「投与技術の進歩とこれからの抗がん剤治療~CVポート治療という選択肢~」というテーマで「明日の医療」セミナーを開催した。
 開催の挨拶として、水上雅人氏(日本BD人事広報本部長)が登壇し、会社紹介と今回のセミナーのテーマについて語った。「本セミナーではがん患者のQOLをテーマとしています。抗がん剤治療の現状、またCVポートについて理解を深めるものになれば幸いです」と述べた。

 次に、岸 宗佑氏(イムス札幌消化器中央総合病院)が「人生・生活を第一としたがん医療の実現について」をテーマに講演を行った。はじめに、岸氏はCVポートをはじめとしたVADが一般の人々に知られていないことを問題提起とし、VADによる抗がん剤治療の紹介が行われた。膵癌や胆道癌、乳癌患者へのメリットとして上腕の静脈からの新しい手術方法が発表され、鎖骨下静脈以外にもあらゆる患者に合わせて様々な手術方法が考案された。岸氏は、「治療のために、患者の文化的な側面をできるだけ落とさせたくはありません。患者の人生・生活を第一にしたCVポート処置が理想的です。一人一人の患者にあったCVポート治療を届けたいと考えています」と述べた。

 最後に、根岸友香氏(NPO法人くまがやピンクリボンの会)が「がんと向き合い自分らしく生きる」をテーマに講演を行った。乳癌を患った経験とともに、CVポートにより治療の辛さが緩和された実際の声を聴くことができた。「点滴から変更する時は、異物を埋め込む不安がありました。しかし、看護師さんの「この先何十年も使う利き手に、不具合を残さない為に」という言葉で治療を受けようと決心出来ました。ポート埋設後の治療は痛くないし一瞬で終わります。普段通りに生活することもできて、旅行に行って温泉にも入れました」と語った。最後に、根岸氏は「ポートの存在の認知度向上を課題としてほしいです。また、ポートは埋め込むのが怖い、不安だといったネガティブなイメージがあるため払拭する必要もあります。ポートは治療の相棒です。我慢することを前提にしない、CVポートのポジティブなイメージが浸透することを望みます」と締めくくった。

水上雅人氏
岸 宗佑氏
根岸友香氏