第14回消化管先進画像診断研究会、開催! ~さらなる大腸CTの普及をめざして~

category:取材速報
2019.03.18

 モーニングセミナーとして、最初に「消化管領域におけるSpectral Imagingの活用」と題し、草山裕介氏(フィリップス・ジャパン)が登壇した。「二層検出器を搭載したIQonスペクトラルCTは撮影後、必要に応じていつでもSpectral Imagingを参照できるという最大の特徴を持っている。従来課題であったDual Energy専用のプロトコル設定を行う必要がなく、120kVp画像取得も可能にした」と語った。

 モーニングセミナー2として、煎本正博氏(イリモトメディカル)が、「iPad Proを医療用モニタとする画像診断端末」と題し、「画像診断管理加算3と頭部MRI投影加算が新設され、夜間および休日の読影に対応できることという施設基準が定められたこと、画像診断管理加算1−3の専ら画像診断を担当する医師についても一部自宅等での読影が認められるようになる大きな改訂があった。iPad Proを医療用のモニターとして使用しており、出張時などの緊急読影には利便である。
 また本機により、報告書の作成もまで可能となった」と述べた。

 教育講演では、小林弘幸氏(順天堂医院 総合診療科・病院管理学)が「医療訴訟の現状と対策」と題し、「近年、医療訴訟になりかねない病院、医師への責任追及が厳しくなっている。医療訴訟事例の診療科別の件数に着眼すると、信頼関係が希薄な救急外来に多い。信頼関係の向上が急務だが、いざ裁判になれば診療録のみが唯一の証拠となる。情報に対して誠意に謙虚になることが一番大切なことだと医師は心得なければいけない」と話した。

 特別講演では、畠二郎氏(川崎医大検査診断学)が、「消化管疾患の超音波診断」と題して、発表した。「我々の施設では、消化管疾患の診療においては、超音波は他のモダリティをしのぐ、診断法だ。超音波の特性は高い空間的・時間分解能があげられ、消化管癌の深達度診断などに有用である。
 また、近年開発された超高周波プローブ(24MHz、33MHz)が実用化され、造影超音波に肉薄する画像が得られる。造影超音波も進化しており、Contrast vector imagingという造影剤の動線を表示し、その速度も測定できるものが開発され、消化管における粘膜下腫瘍の診断や絞把性腸閉塞など血流が鬱滞する疾患の客観的評価につながるものとして期待大だ。最後に、超音波診断は、組織分解能の欠如や減衰の問題が残り、まだ課題は大きいが、さらなる進化が望まれる」とまとめた。

 ワークショップでは大腸CT検査の遠隔読影の実際と展望と題して、実際の遠隔読影施設とその読影医から各遠隔会社別に、委託施設が選定理由や経緯などの発表が行われた。

1.(株)ドクターネット
 (株)ドクターネットの委託施設の秋野哲男氏(八王子消化器病院放射線科)が「経緯としては、当院に放射線科医がおらず、選定理由としてはPACSと電子カルテと読影会社のシステム接続やオーダー等のデータ転送の部分が大きい」と語った。

 続いて、委託施設の田中 孝氏(JCHO四日市羽津医療センター放射線部)は、「我々の施設でも常勤放射線科医が1名しかおらず、CTCの読影は専門知識が必須なため、外部に依頼した。結果は概ね、良好だが、クォリティにバラツキもみられるので今後は依頼側と遠隔読影医の連携が望まれる」と述べた。

 最後に(株)ドクターネット読影医として野津 聡氏(埼玉県立がんセンター放射線診療科)は「大腸CT検査は読影を日曜・祭日を除いた5営業日までに行うなどの条件がある。所属施設以外の大腸CTの目的や前処置の現況が把握でき、本邦における大腸CTの普及、検査方法の向上に貢献できる利点がある。一方、画像診断から読影まで医師一人で行わなければならないのが課題である」と話した。

2.(株)ネットホスピタル
(株)ネットホスピタルの委託施設、和田幸司氏(NTT東日本伊豆病院 放射線科)は「当院は①二重読影の実施②コスト③低線量時の読影精度を求めている。キヤノンマーケティングジャパン(株)のMedical Image Placeによる専門回線を導入し、セキュリティー向上とタイムラグ縮小を図った」と解説した。

 次に開発医師である永田浩一氏(国立がん研究センター社会と健康研究センター 検診研究部/中央病院検診センター)は「2015年11月から依頼施設と(株)ネットホスピタル、堀井薬品は、Medical Image Placeを介して読影管理・依頼、レポート返送を行う『遠隔読影インフラサービス』を開始した。一次読影の問題点や疑問点を二次読影の医師と共有する、質の高い二次読影システムを支える」と語った。

3.イーメディカル東京
 (株)イーメディカル東京の委託施設、柴地隆宗氏(しばじクリニック)らは「単に読影するだけでなく、撮影の指導を受け、検査の質もサポートしてもらっている。特に経験のない技師に変わった際は直接、撮影方法を教えてもらったことは非常に助かった。また、読影結果も最初はレポートのみだったが、3D画像も返却されるようになり、患者さんへの説明の際に大変役立っている。その甲斐あって当院のような一般クリニックにおいても良質な検査を提供できている」と話した。

 続いて読影医師の小阪寿幸氏(高石藤井病院)は「導入から習得までトータルケアの大腸CT遠隔読影診断サービスを提供し、大腸CT検査を普及させることを夢見ている」と結んだ。

4.斗南病院
 「地域医療における遠隔読影の実際」と題し平山眞章氏(斗南病院 消化内科)らが登壇した。「まだ試用的な運用ではあるが、近年大腸がん検診の精検法として大腸CTが期待されてきている。大腸がん検診の第一選択はCSだが、それが困難な場合、大腸CT検査が積極的に運用されることを願う」と述べた。

 なお次回第15回消化管先進画像診断研究会は、2019年9月8日、札幌医科大学病院で開催予定である。

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