徳洲会・シーメンスヘルスケア、AI共同研究、検体検査の完全自動化、人材最適化を図る研修プログラムに関するパートナーシップを締結

category:取材速報
2019.02.13

 2019年2月5日、一般社団法人徳洲会グループと株式会社シーメンスヘルスケアは、東京堂千代田ビルディング内の徳洲会東京本部(千代田区)で、共同記者会見を開催した。

  最初に鈴木隆夫氏(一般社団法人徳洲会理事長)が登壇し、徳洲会グループの紹介を行った。

鈴木隆夫氏

 徳洲会グループは、〝生命(いのち)だけは平等だ″を理念に掲げ、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会の実現」を目指し、1973年に民間非営利団体として創立した組織で、現在は関東、関西地域を中心に73棟の病院を経営している。徳洲会グループが経営する病院は、「生命(せいめい)を安心して預けられる病院」、「健康と生活を守る病院」をミッションに掲げ、それらを実行するために、年中無休・24時間オープン、患者様からの贈り物は一切受け取らない、救急を断らない、患者目線で病院を創るといった方法を採用している。

 1995年の阪神大震災以降、徳洲会グループは国内外問わず各地で医療協力を行っており、大規模な災害がおきるたびに医療スタッフを派遣している。また、2018年11月にはロヒンギャ難民の支援を実施した。徳洲会グループの海外プロジェクトは、現地の人々に医療器具を与えたり、治療を実施するだけではなく、技術と知識を伝えることを目的としたもので、2018年3月22日にはタンザニアで腎移植プロジェクトが実施された。鈴木氏はグループの海外プロジェクトを〝魚を与えるのではなく、魚を捕る方法を一緒に考える″という言葉で例えた。

 
 次に森秀顕氏(シーメンスヘルスケア株式会社代表取締役社長)が登壇し、シーメンスヘルスケア社の紹介を行った。

森秀顕氏

 同社は「人々のクオリティ・オブ・ライフに貢献します。」をモットーに掲げ、「プレシジョン・メディシンの拡充」、「医療サービス提供の変革」、「ペイシェント・エクスペリエンスの向上」、「医療デジタル化の推進」という4つの価値(バリュー)を約束している。

 現在、シーメンスヘルスケア社は2,900人以上の技術者が管理する16ペタフロップス(コンピューターの処理能力を表す範囲)のスーパーコンピューターを複数所持しており、同社が展開するAIは全世界のおよそ4,400施設とコラボレーションし、毎日1時間あたり24万人分の患者のデータを演算処理していると、森氏は語った。

 
 次に登壇した内藤彰彦氏(シーメンスヘルスケア)は、徳洲会グループとシーメンスヘルスケアが結んだパートナーシップの概要を語った。

内藤彰彦氏

 2019年2月5日から湘南鎌倉総合病院内で
①AI共同研究(少年へルスイノベーションパーク内に共同で「AIコラボレーションセンター」を設立・運営し、AIソフトウエアによる胸部画像からの診断検査など、AIに関する共同作業を行う)
②検体検査の自動化(湘南鎌倉総合病院への先進的な臨床検査システム、及び搬送システムの導入による検体検査工程の完全自動化を推進する)
③USアカデミーの開講(湘南鎌倉総合病院の臨床検査技師がより専門性の高い生理検査に対応できるよう、シーメンスヘルスケアが継続的に超音波画像診断器のトレーニングを提供する)
の3つの改善事項が開始された。この取り組みが離島・へき地の医療サービス向上につながる新しい医療のかたちとして創り上げていくと、内藤氏は宣言した。

 
 尾崎勝彦氏(徳洲会インフォメーションシステム株式会社代表取締役社長)は、徳洲会グループとシーメンスヘルスケアが共同で開設・運営する「AIコラボレーションセンター」(神奈川県藤沢市)という施設の説明を行った。

尾崎勝彦氏

 同センター内では匿名化されたDICOM(医療画像)データを送受信するネットワークが構築され、病院側は患者各々の医療画像や診療データをセンターに送付することにより、AIによる高い診断を実現するためのインフラを構築しているという。現在、このようなシステムは湘南鎌倉総合病院のみで実施されているが、将来的には徳洲会が経営する全ての病院で実施される予定だと、尾崎氏は語った。

 
 次に登壇した李 進氏(湘南鎌倉病院放射線科統括部長)は、自らが勤務する湘南鎌倉病院におけるパートナーシップ提携による医療サービスについて語った。

李 進氏

 現在、同病院では放射線科における画像検査が増加しており、3台のCTが稼働している状態だ。1検査あたりの画像数が増加すると、画僧診断医の負担が増加し診断の質が低下するおそれがあるのだが、シーメンスヘルスケアが開発するAIを活用することにより、胸部CT画像診断の支援が可能となった。

 また、湘南鎌倉病院では超音波検査が実施されており、60名の検査技師が所属しているのだが、今後はAIを活用することにより、業務を拡大する予定だという。シーメンスヘルスケアとの提携により徳洲会グループは「医療業務のワークフロ―改善」、「質の高い医療サービスの提供」を目指すと、李先生は語った。

 最後に東上震一氏(徳洲会副理事長)が登壇し、挨拶を行った。

東上震一氏

 昨今、AIが医療関係者の仕事を奪うといったことを懸念する声があるが、情報の記憶力、伝達力など、人間の能力が及ばない部分を補助するためにAIを活用するべきだと東上氏は主張している。すでに海外では豊富な実績を残したシーメンスヘルスケアのAI技術ではあるが、それが日本の医療現場でそのまま転用できるかは未知数だ。東氏は徳洲会が経営する病院で蓄積されてきた豊富なデータを提供してシーメンスヘルスケアのAIを発展させ、日本独自の医療画像解析ソフトウェアの構築を目指すのが最終的な目標だと語った。

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