キヤノンメディカルシステムズ、CT・MR Advanced Imaging Seminar 2018を開催 | 放射線科情報ポータル Rad Fan Online(ラドファン オンライン) 医学出版社メディカルアイ

キヤノンメディカルシステムズ、CT・MR Advanced Imaging Seminar 2018を開催

category:取材速報
2018.02.14
瀧口登志夫氏
山下裕市氏
北島美香氏
Thomas Tourdias氏
信藤康孝氏
石原敏裕氏
千葉工弥氏
久保貴俊氏
高木英誠氏
村山和宏氏
 キヤノンメディカルシステムズは2018年2月10日(土)、JPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)にて、CT・MR Advanced Imaging Seminar 2018を開催した。同社のAquilion PrecisionTMを用いた研究結果とこれからの画像診断についての講演が発表された。

 はじめに、瀧口登志夫氏(キヤノンメディカルシステムズ代表取締役社長)はAquilion PrecisionTMによって研究が進み、本講演を開催するに至ったことへの感謝を述べた。最後に同社が本年1月から名前を変えたことに触れながら「これからもやることは変わらずより一層邁進して参りますので、今後ともご支援をお願い致します」と述べ、挨拶とした。

 MRの講演では、まず山下裕市氏(キヤノンメディカルシステムズMRI営業部)が「高速化イメージングの最新動向」として、Compressed sensingを紹介した。CSはパラレルイメージングへの置き換えが期待される高速撮像法で、コイルチャンネル数に依存しない高速化が期待される。また新しいパラレルイメージングとしてMeASを挙げた。同氏は「MeASはMAPとの位置ずれによるアーチファクトが発生せずエラーも少なく、体動の誤差も補正される特長を持つ。更にこれをCSと組み合わせたMeACSはデータの可逆性や画質といったすべての問題を解決し得るものとして進めていきたい」と語った。
 北島美香氏(熊本大学)は、ノイズ低減を目的としたDeep Learning Reconstruction(DLR)について講演した。高分解能T2WIでは撮像時間を短縮した画像にDLRを用いたことで、通常と同等の画質を得ることができる。また、様々な撮像技術と併用することも可能でその発展性を評価した。一方で、アーチファクトや予期しない画像への対応といったことを課題点として挙げ、放射線科医の介入で正していく必要があると述べた。
 Thomas Tourdias氏(Bordeaux Hospital)は「High Resolution and Beyond – from Research to Clinical Use」と題して、認知障害の理解を高めるために、7テスライメージングを用いた海馬の構造的理解が重要だと述べた。複雑な海馬の理解にはDTIイメージングが有用で海馬の変化の取り込みを可能とする。また認知障害の要因として鉄分の集中や、タンパク質の汚染が挙げられ、鉄分の動きのモニタリングを行い、タンパク質を実際に注入する脳実験を行うことで認知障害の有効解決に取り組むと語った。また同氏はGALAN ZGOのパフォーマンスの素晴らしさにも触れ、より画像を綺麗に描出できる技術は脳の灰白質を見るのに相応しいモデルであると評した。

 続くCTについての講演では、信藤康孝氏(キヤノンメディカルシステムズCT開発部)がAquilion PrecisionTMの技術を紹介した。同製品は世界最高の高精細X線管を持ち、従来の倍の精度での検出と効率向上を可能にした。他に大容量データを画像に表現するための、再構成能力を強化したことも述べた。
 石原敏裕氏(国立がん研究センター中央病院)は「Aquilion Precisionの性能と物理特性」として、0.25mm、1792ch収集による解像特性の向上や、それに伴った低コントラスト検出能の向上、再構成matrix数の増加での周波数帯域の延長を挙げた。そのうえで特性の正しい把握や、正しい評価が肝要と語った。
 「超高精細CTの臨床展開」については千葉工弥氏(岩手医科大学附属病院)の話に詳しい。氏はPrecisionを導入したことで冠動脈の狭窄評価やキュービッツ動脈などの細い血管の描出が向上したことを語った。同時に心拍数60以下の低心拍の場合にはPrecision、不整脈や小児の患者に対してはONEと状況に応じて使い分ける必要があるとした。またFIRSTをAIDR3DeSTR(FC13)と比較した結果、ノイズ低減効果が大きく、空間分解能も高いことも発表した。
 久保貴俊氏(国立がん研究センター中央病院)は超高精細CTの有用性を語るため、「超高精細CTによる肝胆膵領域の描出-診断から治療まで-」と題して腹部領域での結果を比較画像も交えて紹介した。CTの解像度が向上したことで浸潤範囲のより正確な評価、微小病変の検出、鑑別診断における情報付加が期待されるとのこと。またCTベースのシミュレーションでTACEのクオリティを上げるために、細かいFeederの描出やリファレンスVR画質の向上も試しているが、視認でのFeeder探索に限界があることや、VRの作成に時間がかかることから簡便化するソフトウェアが必要といった課題も多いようだ。
 高木英誠氏(岩手医科大学附属病院)はAquilion Precisionの初期使用経験として、評価不能率に差はなく放射線被ばくも許容範囲内と述べ、「冠動脈CTの現状と超高精細CTの可能性」について語った。氏はCTの空間分解能が向上したことで、冠動脈内が見やすくなり冠動脈狭窄の診断精度や定量性が向上したことを評価した。この向上によって、今後はステント内狭窄やプラーク性状まで検証していく価値があるとの見解を示した。
 「Aquilion Precisionだけが写すもの(中内耳・胸部)」をテーマにした山城恒雄氏(琉球大学)は中内耳と胸部の撮像写真を用いて新たな画像診断の可能性を論じた。中内耳においては、従来の0.5mm厚のCTでは見えなかったあぶみ骨折が、0.25mm厚のPrecisionでは明瞭に描出され、文字通り見える世界が違うということを語った。胸部撮像でも、従来のCTより「微細病変の視認性」や「ノイズレベル・アーチファクト」等が改善されており、同質性肺炎、軽度の肺気腫、細気管支病変等で病変検出能の向上が見込まれるという。今後も内中耳、胸部両CT共に新たな画像診断への飛躍が期待できると結んだ。
 村山和宏氏(藤田保健衛生大学)は「脳神経領域の画像診断にPrecisionがもたらすもの」について講演した。脳外科医は術前に3Dを用いるため、細かい血管まで網羅できる高精細CTのメリットである。また動脈相と静脈相のどちらに脳腫瘍がシフトしているのかを術前に鮮明に見ることができ、脳の石灰化が濃淡ではっきりわかることもメリットとして挙げた。最後に氏はニューロンという微小な構造を見るのにCTが高性能になっていくことは望ましく、更なる発展に期待したいと語った。

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