フィリップス、二層検出器搭載型「IQonスペクトラルCT」のプレスセミナーを開催

2017.07.25
片平和博氏
高瀬英和氏

 (株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは、2017年7月19日(水)、新丸ビルコンファレンススクエア 902にて二層検出器を搭載した「IQonスペクトラルCT」のプレスセミナーを開催した。
 はじめに、高瀬英和氏(同社CTマーケティング)による製品説明が行われた。IQonスペクトラルCTは、従来のCTと全く同じ撮影時間とX線の照射で追加の169種類のスクトラル画像を合成することが可能であり、少ない検査で確実性の高い診断に繋がる。これは、必要に応じて後からでも追加の検査なしに様々な画像を診断できることを意味しており、これまでのCTは1種類の画像しか診られなかったため、大きな隔たりがある。また、スペクトラルディテクターである二層検出器を搭載し、高低さまざまなエネルギー成分を持つ連続X線から、全ての検査において一度のスキャンにより120kVp画像データと最適に分光されたスペクトラルデータの取得を両立させ、ミスレジストレーションのないスペクトラルデータの取得が可能であると、述べた。
 続いて、片平和博氏(熊本中央病院放射線科)から過去の診断実績をもとに製品の有用性について説明が行われた。
「昨今、日本人の8人に1人は慢性腎臓病であると言われている中、腎機能が低下している患者にとって造影剤は腎毒性があるため、負担がかなり大きい。しかし、このような患者の場合でも通常の1/4の割合の造影剤を用いることで、負担を軽減させ、正確に処置を施すことができる画期的な製品である」と、述べた。
 また、造影剤は高速注入が必須のため、一般的には20Gの太い注射針で穿刺している。しかし、血管が細い高齢者などの患者にとっては造影剤が漏れて精査を断念せざるを得ない状況もある中、「IQonスペクトラルCT」は、少量造影剤プロトコル設定も可能であるため、手放さざるを得なかった処置を施すことができることを強調した。