日立製作所、「日立ヘルスケアの日 IN TOKYO 2016」を開催!

2016.12.02

 (株)日立製作所は、11月19日(土)、「日立ヘルスケアの日 IN TOKYO 2016」を新社屋である上野イーストタワー(東京都台東区)で開催した。2016年4月1日より、(株)日立メディコおよび日立アロカメディカル(株)を統合した同社は、今回のイベントを通して、同社の提案する「新しいヘルスケアのかたち」を発信するねらいだ。セミナールームでは Hitachi’s Healthcare Visionと特別講演を、カンファレンスルームでは日立MRIフォーラムと日立CTフォーラムを開催した。そのほか、9月にバージョンアップされた64ch CT装置「Supria Grande」をはじめとした、MRIシステムやX-Rayシステム、ヘルスケアITなどの実機展示と、超音波診断装置の展示即売会を行った。

64ch CT装置「Supria Grande」

 

香田克也氏
根本道子氏
桒山真紀氏
酒井健也氏
西村祥循氏
吉川宏起氏
村上晟氏
内山惠司氏
川上晋氏
井上幸平氏
Hitachi’s Healthcare Vision
医療価値の向上を支援する日立の医療イノベーション

 香田克也氏(同社ヘルスケアビジネスユニットへルスケアソリューション事業部長)より、医療を取り巻く社会潮流の変革と、同社が提案する病院運営サービスやクリニカルデータの利活用の事例について説明が行われた。同氏は、「クリニカルイノベーションと医療イノベーションを車軸の両輪にし、日立グループの技術・ノウハウ・人材リソースを使って、お客様に満足いただくサービスを提供していきたい」と述べた。
 
 
特別講演
 乳がん検診における総合判定と診断アプリケーションの潮流

根本道子氏(慶應義塾大学病院中央放射線技術室)を座長に迎え、桒山真紀氏(日本診療放射線技師会)が登壇した。これからの乳がん検診では高濃度乳腺の対策が重要で、マンモグラフィ(MG)と超音波(US)の同時併用・総合判定方式が理想的である。桒山氏は総合判定の成功のためには検査に携わる医療スタッフのMGとUSの正しい理解が必要であると述べ、総合判定基準や病変を見つけるための手順を紹介した。また、エラストグラフィ、RVSなどのアプリケーションは適所、適材、適宜、正しく活用しなければならないと結んだ。
 
 
日立MRIフォーラム
 技術講演では、酒井健也氏(同社)が、日立MRIの撮像テクニックについて、MR Myelographyによる神経根の描写方法と、非造影MRA VASC-ASLを多くの部位に適用する方法を説明した。臨床講演では、西村祥循氏(日本医科大学武蔵小杉病院)が登壇。BeamSat TOF アプリケーションの有用性を述べた。特別講演では、吉川宏起氏(駒澤大学医療健康科学研究部)が、脳病変について臨床画像を用い、T1強調像と拡散強調像で高信号が見られることなどを説明した。
 
 
日立CTフォーラム
 技術講演では、村上晟氏(同社)が、線量最適化のための基礎テクニックについて IntelliEC の設定のポイントや、新技術である Intelli IP Rapid と HiMAR を紹介した。臨床講演1では、内山惠司氏(医療法人社団翔洋会辻内科循環器科歯科クリニック)が、登壇。検証実験から得られた、低線量化と視認性を両立できる Intelli IP の設定を説明した。次に、川上晋氏(株式会社neo)が登壇。クラウド環境と診療報酬改定を背景に、同社のクラウドPACS neo を紹介した。臨床講演2では、井上幸平氏(医療法人社団平静会大村病院)が日常診療に役立つCT画像の読影ポイントを説明した。同氏は、診療放射線技師が異常所見を発見できることの重要性を呼びかけた。
 
 

           講演風景