「Hitachi SOCIAL INNOVATON FORUM 2015-TOKYO-」展示内覧会を開催 その2

2015.10.30

10月28日(水)、東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて「Hitachi SOCIAL INNOVATON FORUM 2015-TOKYO-」に先駆けた展示内覧会に参加・取材をさせて頂いた。

粒子線治療システム

 日立の粒子線治療システムは現在国内外の10を超える先進病院で受注実績がある。国内メーカとしては初めて粒子線治療システムで海外進出を果たし、米国内で展開しているのは同社だけである。
 同社の粒子線治療システムの優位性の一つとして挙げられるのは「スキャニング照射法」だ。スキャニング照射法は同社独自の技術である。他の照射法の場合、粒子ビームがターゲットに届くまでに多くの部品を通すため、ビームの使用効率は20%以下、中性子や二次粒子が発生してしまう。それに対してスキャニング照射法は粒子ビームを走査電磁石に通し、患部標的に線量を集中させる。「粒子ビームの利用効率がほぼ100%になることで中性子・二次粒子の発生が抑えられ、被ばくが低減される」「患者コリメータ・ボーラスが不要になり、治療時間が短縮され、多門照射が容易になる」「機械部品が少なくなるため、放射性廃棄物が削減され、故障率や交換部品が少なくなる」といった点が大きな利点だ。
 今後も国内外での著名な施設に日立の粒子線治療システムの導入が予定されており、同社の技術ががん治療に大きく貢献していくことに期待がかかる。

粒子線治療システムのブースに展示されていた模型。同社製陽子線治療システム「PROBEAT」
粒子線治療システムのブースに設置された説明用展示パネルより