第4回加齢画像研究会が開催~加齢画像にまつわる最新の報告が行われる~

category:取材速報
2015.10.29
奥田逸子氏
水沼仁孝氏
波多野雅子氏
鳥越留美子氏
吉岡直紀氏
桜井正児氏
井上肇氏
米虫敦氏
熊澤ゆみか氏
山田まこ氏
西村仁氏
曽我茂義氏
 加齢画像研究会は2015年10月17日(土)に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区)で第4回加齢画像研究会を開催した。今回は奥田逸子氏(国際医療福祉大学三田病院)が世話人を務め、盛況のもと講演やセミナー、シンポジウム、ワークショップなどが展開された。本稿では特に演題「画像解析」、「教育講演」、演題「頭部・顔面 美容施術評価」についてレポートしたい。

会場風景
「画像解析」

奥田氏の開会の挨拶ののち、水沼仁孝氏(那須赤十字病院)、波多野雅子氏(埼玉医科大学)による座長のもと演題「画像解析」が幕を開けた。
 鳥越留美子氏(東芝メディカルシステムズ)の講演は「CTを用いた最新のトピックス」というテーマであった。Area Detector CTの有用性と逐次近似再構成技術FIRSTなど、同社の被ばく低減についての取り組みを中心に述べた。Area Detector CTは1回転で160㎜幅を撮影することができ、より分解能の高い画像を得られる。さらに逐次近似再構成技術FIRSTは空間分解能や低コントラスト検出能を向上させ、効果的なノイズ低減によって線量も抑えられ、Area Detector CTの可能性を広げるという。
 次に、「3D Rapid Prototyping と加齢画像研究への応用発表」の題で吉岡直紀氏(国際医療福祉大学三田病院)が登壇した。同氏は実際に3Dプリンタを利用し、CTやMRI画像を立体模型化している。同氏は3Dプリンタでの印刷物について「かなり細部まで再現できており、手術の前に術者に手に取って貰うことで、疾患部位の比較やイメージすることができる」と述べている。
 

教育講演「乳房の超音波検査」

 続いて、教育講演「乳房の超音波検査」が桜井正児氏(聖マリアンナ医科大学病院)により行われた。超音波検査は簡便で軟部組織の分解能が高く、組織特性を生かして、組織型の推定が可能である。同氏は年代別の乳房超音波検査による画像を示し、「乳腺は閉経を機に委縮し、脂肪組織が優位になる」と説明した。また、複数の断層像から立体的な三次元画像を再構成しモニターに表示することで、クーパー靭帯の立体的な評価も可能になった。
 

「頭部・顔面 美容施術評価」

 演題「頭部・顔面 美容施術評価」では井上肇氏(聖マリアンナ医科大学)、米虫 敦氏(関西医科大学附属滝井病院)を座長に迎え、主に頭部や顔面に対して行われる美容施術を画像によって評価した研究について報告された。
 「顔面美容施術に対する画像診断学的分析-MRIを用いた多血小板血漿(PRP)療法の客観的評価の試み-」を発表したのは熊澤ゆみか氏(国際医療福祉大学三田病院)である。顔面美容領域で行われる多血小板血漿(PRP)療法の評価は、客観的な評価が確立されていない。同氏は顔写真を参考画像とし、MRIでPRPの効果を客観的に評価した。「症例数の蓄積によるさらなる分析が望まれる」としながらも、「信号と形態の変化によって効果を客観的に評価できることが示唆された」と、PRP両方の新しい評価方法の確立を期待している。
 山田まこ氏(株式会社コルシス)は「顔面マッサージの定量評価を目的とした簡易型顔面画像評価法の開発」について報告した。これまでの顔面マッサージの評価のガイドラインは煩雑で、定量的評価も不可能であった。同氏は施術の前後に撮影された写真を比較するという、顔面マッサージの定量評価を目的とした簡易型顔面画像評価法について「実行可能かつ、施術の効果について客観的な評価をすることができるものである」と述べた。
 西村 仁氏(石川島記念病院)による「3D-CT画像を用いた顔面マッサージ効果の検討」では、施術前後で撮影された3D-CT画像での計測ポイントと仮想中心軸の距離(VSD)を計測し、そこから顔面マッサージ変化率(FMCR)を算出。VSDの有意差やFMCRと年齢の相関の確認を行なったところ、施術前後でいくつかの数値の変化が認められた。同氏は、3D-CT画像によりマッサージ効果を数値化することで、美容手技に客観的なエビデンスを与えうることを示唆した。
 続いて、曽我茂義氏(防衛医科大学校)が「男性型脱毛症(AGA)の超高分解能頭皮MRI −新たな薄毛の診断、治療法開発を目指して−」と題し、発表を行った。現在、超高分解能MRIを用いた、AGAの程度や治療効果を低侵襲かつ客観的に評価するための方法が開発中である。「超高分解能頭部MRI(MRH)によって頭皮解剖を明瞭に描出できただけでなく、毛量測定のための独自の解析アルゴリズムを開発。新しい客観的指標を作成できた」と同氏。MRHはAGAの新しい評価方法として期待がかかっている。
 
 以上簡単ではあるが、トピックスを中心に第4回加齢画像研究会を取材した。本研究会では多くの参加者による質疑応答が活発に行われ、加齢画像の活用に対する関心の高さを伺うことができた。加齢画像研究会は今後もますます発展を遂げていくことになるだろう。

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