フィリップス、Hybrid OR(ハイブリッド手術室)における新製品「FlexMove(フレックス・ムーブ)」についての説明会を開催

2011.06.10

小山克彦氏

勝間忠義氏

山中かゆり氏
(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは6月7日、フィリップス品川本社(東京都港区)にて同日より販売を開始したHybrid ORに設置する新製品「FlexMove」についての記者説明会を開催した。
はじめに、小山克彦氏(同社ヘルスケア事業部マーケティング本部IS統括部部長)がX線血管造影装置におけるマーケティング戦略を述べた。その中で同氏は、Hybrid ORとは高性能の据え置き型X線血管造影装置と手術寝台を組み合わせた手術室で、同社製の特長は、血管外科を中心に心臓外科・整形外科・脳神経外科・小児外科等のあらゆる外科手術に対応可能な高性能手術寝台を3次元画像ナビゲーション機能を搭載した最新X線血管造影装置に一体化して完全に組み込まれていることにあると説明。同氏は「Hybrid ORにより、1つの部屋を外科手術室としても、カテラボとしても使用可能となり、経済的な効果が期待できる」とHybrid OR導入の有用性を語った。
引き続き、勝間忠義氏(Business Development Manager、iXr Surgery Cluster APAC、Philips Healthcare)が同社製Hybrid ORの概説を行った。同氏は今回販売を開始した「FlexMove」により、従来一方向にしか移動域を持たなかった血管造影装置本体が、もう一方向にも大幅な移動域を持つようになったと説明。面移動を可能にしとことで、手術中の必要に応じて本体を自在な場所へ配置でき、手術室での立ち位置、ワークフローを阻害しない、医療現場ニーズへ適合した装置となったと述べた。また同氏は「今後フィリップスは、手術室関連企業とのコラボレーション等も含め、手術室全体のシステム、ソリューションを提案していきたい」と同社の今後の方向性を示した。
最後に、リアルタイムX線被ばく線量表示装置「DoseAware(ドーズ・アウェア)」について、山中かゆり氏(ヘルスケア事業部マーケティング本部IS統括部Interventional X-ray ビジネスマネージャー)が説明を行った。「DoseAware」とは5㎝四方の個人線量計より無線で被ばく線量率等の情報を発信し、管理用ソフトウェアを用いたベースステーションでの表示を可能にした、リアルタイム線量表示(対術者)システムである。線量計ごとの被ばく履歴も表示が可能である「DoseAware」について山中氏は「従来のガラス線量計の補助を目的として、年内の販売を目指している」と語った。