看護師・医師向け救急超音波講習会が開催

category:取材速報
2015.07.24

看護師や医師向けの「救急超音波講習会」が開催された。
Team Ultrasound,PLLCによる救急医療の現場での超音波診断について、講演やハンズオンセミナーが行われた。

MacLong T. Tran氏
Jonathan Purcell氏
Mandy M.Pascual氏
Jodi Jones氏

 看護師・医師向けの「救急超音波講習会」が7月18、19日、東芝メディカルシステムズ(株)首都圏支社(東京都中央区)にて開催された。同講習会は「救急医療領域において、迅速かつ安全に検査や処置が行える超音波機器をつかいこなせるようになる」という目的のもと、Team Ultrasound,PLLCの主催により開催されている。
 Team Ultrasound,PLLCとは、救急・集中治療領域における超音波に関する教育・研究活動の推進や米国救急医学会のガイドラインに基づいた救急超音波の普及活動を行っている、米国や日本の救急医などで結成されたチームである。今回の講師陣はThe University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas(UTSW)のDepartment of Emergency Medicine内のSection on Emergency Ultrasoundに所属し、教育面でも非常に豊富な経験を持つ。MacLong T. Tran氏(Texas Health Prebyterian Hospital、Children’s Hospital of Dallas)は同部署のフェローシッププログラムを創設した救急超音波業界の先頭を走る1人である。
 講習会は午前と午後の2部に分けられ、午前には座学として同チームのメンバーTran氏、Jonathan Purcell氏(University of Texas Southwestern Medical Center、Department of Emergency Medicine)、Mandy M.Pascual氏(同)、Jodi Jones氏(同)らによる「超音波入門」「救急心臓超音波」「救急外来におけるポイント・オブ・ケア 超音波:胆嚢、腎臓」「大動脈」「下大動脈」「救急医によるDVT診断のための圧迫超音波検査法」「重症患者に対するRUSHの実践」「RUSH検査 臨床症例への応用」「眼球 超音波、軟部組織 超音波」「超音波ガイド下手技」などと題した講演が行われ、超音波診断装置の基本的な取扱いから、超音波診断の仕組み、各部位の検査で気を付けることなど実践を想定した応用まで、様々な解説が行われた。
 特にTran氏による「重症患者に対するRUSHの実践」では、治療に主眼を置いたショックの鑑別法であるRUSH(Rapid Ultrasound for Shock and Hypotension)について、解説が行われた。現在、日本で教育法が確立しているFAST(Focused Assesment with Sonography for Trauma)は主に初期診療における外傷性ショックの原因検索に用いられる迅速簡易超音波検査法であるが、RUSH法は外傷や内因性を問わず、循環血液量減少性、心外閉塞・高速性、心原性、血液分布異常性などショックの原因を系統的に超音波で検索することができる手技として提唱され、米国の臨床現場ではルーチンになりつつあるという。
 また、Purcell氏による「RUSH検査 臨床症例への応用」ではTran氏が解説したRUSHの基本を救急・臨床の現場で活用するための具体的な症例を交えた説明が行われた。

児玉貴光氏
ハンズオンセミナーで指導をする太田智行先生(東京慈恵医科大学附属病院放射線科)(左)
会場風景

 午後のハンズオンセミナーでは用意された超音波診断装置「Xario 200」にて実技講習が行われた。「EFAST」「DVT」「Cardiac Exam」「Aorta、IVC、GB」「Miscellaneous」といったテーマでグループに分かれてローテーションしながらトレーニングを行っていた。
 同講演会コースコーディネーターの児玉貴光氏(愛知医科大学災害医療研究センター、愛知医科大学病院高度救急救命センター)は「現在、日本では救急現場での超音波診断に関して、標準化された教育法は存在しておらず、教育が行われたとしても、その効果判定も曖昧なままで済まされていることが現状である。一方、米国においては米国救急医学会が米国医師会や関連学会と連携を取りながらエビデンスに基づいた教育を提供している。米国の救急超音波は我が国の遥か先を行っており、学ぶべき点が多く存在する。救急超音波の知識・技術は医師のみに留まらず、創設が検討されている診療看護師にとっても必須となると考えられている」と本会の意義について語った。

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